beacon

森2発!被シュートわずか1!攻守噛み合った草津東が野洲破って決勝へ:滋賀

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半12分、MF森稜真(11番)の先制ゴールを喜ぶ草津東高イレブン

[5.31 総体滋賀県予選準決勝 草津東高 2-0 野洲高 布引]

 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)滋賀県予選準決勝が31日に行われ、草津東高がMF森稜真(3年)の2ゴールによって野洲高に2-0で快勝。草津東は3年ぶりの全国大会出場を懸けて、6月2日の決勝で綾羽高と戦う。

 滋賀の名門対決は草津東が快勝した。5月3日の滋賀県1部リーグ戦はポゼッションする野洲を草津東がカウンターで沈めて6発大勝。今回の再戦、野洲は草津東の注目10番、左FW栗山高季(3年)やカウンターを警戒し、普段以上に守備を意識して戦いをスタートする。だが、「緊張して自分のプレーができていない選手が多かった。後ろへ下がって、下がってとなってしまった」(FW片岡海斗主将、3年)という野洲を草津東が押し込んで、リードを奪う。

 前半12分、草津東は左サイドから栗山がアーリークロス。野洲DFの小さなクリアを拾った森が右足シュートをゴール左隅に決めて先制した。さらに19分、草津東はMF橋本卓成(3年)の展開から右サイドのMF平田侑暉(3年)がアーリークロスを入れる。逆サイドへ到達したボールを森が右足ダイレクトボレー。弾丸ライナーの一撃がゴール右隅に突き刺さった。

 観衆からどよめきの起こったスーパーゴールで2-0。野洲は大黒柱の片岡のスルーパスにFW濱田樹(3年)が走り込むシーンがあったほか、技術力高い1年生MF久慈勇仁らが相手ゴールを目指したが、寄せの速い相手の前にミスが増えてなかなか前線までボールを運ぶことができない。

 逆に草津東は司令塔のMF山本佳輝(3年)やMF小酒井新大(2年)の配球から、牛場哲郎監督が「献身的にオーバーラップしたり、身体を張ることが特長。良い動きをしてくれた」と説明する平田が高精度のクロスボール。FW渡邉颯太(2年)のポストプレーやGK加藤直主将(3年)の精度高いキックも起点に攻めて3点目のチャンスを作り出す。

 野洲は栗山の決定的なシュートを1年生GK田島勝がファインセーブするなど何とか2点差のまま食らいつくが、雨の影響でミスも多く、相手を脅かすような攻撃をすることができない。チームの初シュートは後半終了間際になってから。終盤はスルーパスの本数が増え、アディショナルタイムには抜け出した片岡が切り返しから決定的なシュートを放つ。だが、草津東DFにブロックされ、無得点のまま試合終了を迎えた。

 公式記録上、草津東は野洲をシュートわずか1本に封じて快勝。終了間際に身体を投げ出してシュートブロックしたことをDF陣たちはこの試合で最も喜んでいるように映った。栗山、山本、渡邉と中盤・前線は昨年からの主力が残っているのに対し、DFラインはポジションを下げたCB舛田康稀(3年)含めて総入れ替え。その中で集中力高く、身体を張り、4試合連続無失点を記録しているDF陣について牛場監督は「本人たちは危機感を感じて、3年生が身体を張ってくれている。チームの立ち上げの頃は無かったです」と成長を認め、賛辞を送っていた。

 森は「チームとしては無失点で来ている。上手く来ていると思うので良いと思います。全国に行って強豪とやりたいというワクワクした気持ちを持っているので、絶対に次勝って全国行きたい」と力を込めた。今冬の選手権初戦ではV候補の青森山田高に栗山の突破などで対抗したが、0-5で完敗。その雪辱の思いも持つ滋賀の伝統校が、あと1勝を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

TOP