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[MOM2536]市立尼崎FW上野輝人(3年)_名門相手に力示した強力2トップ。エースが先制ゴール

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後半29分、市立尼崎高のエース、10番FW上野輝人が左足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.8 総体兵庫県予選準決勝 滝川二高 1-1(PK8-9)市立尼崎高 アスパ五色メイングラウンド]

「もう、とにかく嬉しいです。しんどい試合だったんですけれども全員で勝つことができた」。市立尼崎高のエース、10番FW上野輝人(3年)はベンチ、応援席も含めて全員で掴んだ勝利であることを強調していた。

 その中で特に光ったのが、近藤照男監督が「ウリは2トップ。背後を獲ることもできる」という上野、FW庄一真(3年)の強力2トップだ。いずれもスピードのあるドリブルや背後へ抜ける動きを連発。幾度も局面を打開して前進するなど滝川二高をかなり苦しめていた。

「庄がいいプレーしてくれるので、それに合わせるだけ」という上野はサイドへ流れて決定的なラストパスを送れば、自らカットインしてシュートも。この日両チーム最多のシュート5本を放った上野は、ゴールも決めた。

 後半29分、市立尼崎はカウンターから庄が大きく前進。敵陣中央までボールを運んで前線へ抜け出す上野へパスを送る。これを受けた上野はそのままシュートへ持ち込むと見せかけて動きをストップ。飛び込んできたDFを鮮やかにかわすと、そのまま得意の左足シュートをゴールに突き刺した。

「ボールもらった瞬間、パスよりもシュートしか考えていなかった。相手が突っ込んできていたので止まったら相手が通り過ぎるかなと思った。それでちょうど行ってくれたのでかわすことができた」。今大会7得点目となる上野のゴールが決勝点になるかと思われたが、直後にチームは失点。再び勝ち越しを目指した市立尼崎の中で上野は2点目を決めきることができず、ピッチ上で非常に悔しがっていた。

 それでもPK戦で勝ち切って決勝進出。上野は決勝も勝利して、昨夏の全国で味わった悔しさを晴らすことを誓う。「全国1回戦、全然自分のプレーができなかった、全国の借りは全国でしか返せないと思うので、絶対に日曜日(決勝で)勝ちたい。(今年の全国では)どんどんシュート打ってチャンス増やして多く点を取りたい。FWなんで1試合で1点は確実に獲れるように。あの10番は凄いと言われるように」と誓う。昨年は先輩たちに頼りすぎてしまったことを反省。それからより力を磨いて技術と運動量、得点力を兼ね備える存在となったエースが県決勝、全国でその力を見せつける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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