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昨季全国準Vの日大藤沢、延長制して8強入り…粘りに粘った座間はセットプレーに沈む:神奈川

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決勝点を叩き込んだ日大藤沢高DF櫻井風我(3年)

[6.9 総体神奈川県予選3回戦 座間高0-1(延長)日大藤沢高 日大藤沢NFグラウンド]

 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技(インターハイ、三重)の神奈川県予選は9日、各地で2次トーナメント3回戦を行い、昨季全国準優勝の日大藤沢高座間高が対戦した。ボールを握る日大藤沢に対し、しぶとく引いて守る座間という構図。延長戦までもつれ込む熱戦となったが、セットプレーで得点した日大藤沢が1-0で勝利した。

 「県内で一番粘り強いチーム」という座間に対して、「どうやってあの守備を崩すか」というゲームプランを準備して臨んだという日大藤沢の佐藤輝勝監督。「相手の長所でもあるリスタートを磨こうということで一週間やってきたが、よくあそこで一発取ってくれた」と粘り勝ちした選手たちをねぎらった。

 日大藤沢が一方的にボールを握る前半となったが、最初の決定機は座間に訪れた。ストレート系のボールを蹴り出した右CKに対し、MF大塚仁斗(3年)がヘディングシュート。惜しくも枠を外れたが、低く引いて守るプランを生かす姿勢が見られた。対する日大藤沢は最終ラインからゆったりとボールを回し、相手守備ブロックの切れ目をうかがった。

 試合が動き始めたのは後半20分すぎから。日大藤沢はサイド攻撃に狙いを定め、サイドバックのDF櫻井風我(3年)とDF多田夢都(2年)を中心に攻勢をかける。だが、主将のMF梶山かえで(3年)の決定的なシュートが入らず、なおも1点が遠い。一方の座間は1トップに入ったFW奈良和樹(2年)の単騎突破でチャンスをつくった。

 後半終了間際には、サイドバックの櫻井がスタンドを沸かせる。ボールが敵陣深くでタッチラインを割ると、披露したのは前転しながらスローインする“ハンドスプリングスロー”。3度の挑戦で徐々に飛距離を伸ばし、得点の可能性を感じさせた。だが、スコアレスのまま勝負の行方は延長戦に。日大藤沢はFW平田直輝(3年)に代えて長身FW桑原久史(3年)を入れ、ロングパスのターゲットを明確化した。

 延長前半6分、日大藤沢はMF成定真生也(2年)のカットインから右にボールが渡り、櫻井のクロスにファーの梶山がシュート。これが枠を外れると、直後の同7分には座間の奈良がPA右を突破し、クロスが日大藤沢ゴールを襲った。前半終了間際には桑原の落としに梶山がシュートを立て続けに狙ったが、GK高村和希(2年)のセーブもあり、ゴールを陥れることができない。

 座間は延長前半終了時、チームの支柱であるDF古澤大輝主将(3年)の足がつり、プレー続行不可能に。すると後半3分、ついに試合が動いた。日大藤沢は多田が右CKを蹴り込むと、桑原の頭上を越えたボールがファーの櫻井のもとへ。強烈なヘディングシュートでネットを揺らし、喜びを爆発させた背番号2はスタンドの応援団と喜びを分かち合った。

 座間も素早くボールを前線に蹴り込み、何とか同点に追いつこうとするが、このまま試合は終了。2011年以来、7年ぶり3度目の全国出場の夢は2次トーナメント3回戦で潰えた。佐藤英幸監督は「キャプテンの負傷が一番痛かった」とアクシデントを悔やみつつも、「ほとんど2年生でここまでやれた。選手権に向けて良い自信になる」と前を見据えていた。

 一方、日大藤沢の佐藤監督は「関東大会予選で敗れて、“捲土重来”でやってきたが、特に『3年生に言っているんだぞ』ということを伝えてきた」と最上級生への期待を明かした。そんな中、この日は3年生の活躍が光り、「ここに来て出てきてくれたことが財産。みんな意志が強い」と称賛。10日に行われる準々決勝の厚木北高戦に向け、「連戦に強いチームを鍛えてきた。ここからが大事なので良いサッカーをしたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校総体2018

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