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[MOM2889]青森山田GK佐藤史騎(3年)_今年も青森山田に実力派のGK、“事故”阻止して完封勝利

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青森山田高GK佐藤史騎は完封勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.3 インターハイ青森県予選決勝 青森山田高 2-0 八戸学院野辺地西高 ダイハツスタジアム]

 青森山田高の黒田剛監督はこの日、特に中盤や最終ラインの3年生の甘さのあるプレーを厳しく指摘していた。立ち上がりこそ、相手を飲み込むようなサッカーを展開して2点を奪った青森山田だが、その後チーム全体で安心感が出てしまい、失速。70分を通して見ると不満の残るようなサッカーになってしまっていた。

 成長が停滞しかけている選手もいる中で、黒田監督が「良くなっている。身体能力が高い」と評価するのが、GK佐藤史騎(3年)だ。3月のサニックスカップでベスト11に選出されている佐藤はプレミアリーグEAST開幕6試合中3試合で完封し、計4失点。GK廣末陸(現山口)、GK坪歩夢(現常葉大)、GK飯田雅浩(現国士舘大)と全国大会で活躍した先輩GKたちに続く存在は、この決勝戦でも安定したプレーを見せた。

 対戦した八戸学院野辺地西高は1タッチでDF背後を狙う攻撃を徹底。2トップを走らせてきた。前半11分、22分と攻撃のタイミングが合ったが、いずれも大きく飛び出した佐藤がクリア。また、八戸学院野辺地西は獲得したFKをほぼ全て青森山田のゴール前に放り込んできていた。「事故狙いで来ていた」(黒田監督)。他にもロングスローやCKもあったが、そこに立ちはだかった佐藤は、終始安定していたキャッチングで対応。後半16分のMF工藤拓人(3年)の直接FKもしっかり反応して無失点で勝利に貢献した。

 佐藤は「いつも人工芝でやっているのとはちょっと違って、ボールの跳ね方やボールのスピードは違うんですけれども、良い判断ができて勝利に貢献できたかなとは思っています。最初の前半の飛び出しに関しては自分でも良かったと思いますし、パンチングやキャッチの判断、そういうところは今日良かったかなと思います」と納得の表情。今年も青森山田の守護神は力があることを示してインターハイ予選を終えた。

「去年の飯田先輩だったり、(黒田)監督や(ヘッドコーチの)正木さんに比較されるんですけれども、絶対に廣末さんや歩夢さん、飯田さんを越してやるという気持ちでいつも頑張っています」と佐藤。シュートストップ、キックなど全体的にレベルが高く、特にクロスを強みとしている3年生守護神は先輩たちに負けたくないという気持ちを強く持っている。

 インターハイはアピールのチャンス。「青森と違って暑かったり、環境の違いだったりあると思うんですけれども、そこは自分も初めてのインターハイですし、先輩の成績を超えていきたいと思っています」。チームを後方から支えて全国タイトルを獲得し、目標の3冠達成へ前進する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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