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敗退も印象的な戦い見せた神村学園、「力以上のものを出してくれた」夏から選手権で日本一に挑戦

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前半7分、神村学園高MF濱屋悠哉が先制ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.28 総体3回戦 尚志高 1-1(PK4-2)神村学園高 吉の浦公園ごさまる陸上競技場]

 V候補の関東王者を倒した。プレミア勢を追い詰めた。真夏の沖縄3連戦で印象的な戦いを演じた神村学園高(鹿児島)だが、惜しまれる敗退となった。

 3回戦で高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTに所属する尚志高と対戦した神村学園は前半7分、MF野邊滉生(3年)のポストプレーからエースMF濱屋悠哉(3年)が右足の弾丸ショットをゴール左隅に突き刺して先制する。

「コースが見えたので、そこに思い切り打ち込みました」という濱屋の今大会4得点目となるゴールで先制した神村学園は、その後も司令塔のMF永吉飛翔(2年)や右SB中島吏九(3年)、左SB下川床勇斗(2年)が組み立て役になりながら、ゲームをコントロールする。 

 そして、前線で個性を発揮する濱屋が巧みな突破からシュート、ラストパス。有村圭一郎監督も認めた組み立て、崩しの部分を表現した神村学園だったが、MF樋渡鯉太郎(3年)の決定的なシュートがGKを止められ、濱屋の一撃が枠を外れるなど追加点を奪うことができない。

 有村監督は「このまま1-0で終わることは無い」と指摘していたが、後半のクーリングブレイク直後に痛恨の失点。アディショナルタイムに中島のパスから好トラップした濱屋の左足シュートも枠を外れ、PK戦の末に涙をのむことになった。

 大会を通して存在感を放った濱屋は決定力不足を反省。「追加点が大事ですね。そういうところを決めきれないと、こういうチームには勝てないことが分かったので、シュート練習をいっぱいして勝てるようにしたい」と誓った。

 無念のベスト16敗退となったが、有村監督は「能力のある選手はいない。力以上のものを出してくれた」と選手たちを讃える。ボールを支配されながらも走力とトリックFKで勝ち切った國學院久我山戦、地元・西原高相手に6ゴールを奪い取った2回戦、そして敗れたものの、ボールを握って多彩な攻撃を見せた尚志戦と各試合で自分たちの力を発揮した。

 濱屋は「(選手権で)今大会で成し遂げられなかった全国制覇を成し遂げたい」。鹿児島県予選を突破するのは容易ではないが、指揮官も成長を口にしたチームは技術、判断力、決定力、そして自分たちのサッカーをさらに突き詰めて選手権で、魅せて勝つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2019

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