beacon

選手権予選、新人戦の雪辱!立正大淞南がPK戦で大社破り、全国へ:島根

このエントリーをはてなブックマークに追加

立正大淞南高が島根タイトルを奪還

[6.5 インターハイ島根県予選決勝 立正大淞南高 1-1(PK7-6) 大社高 松江市営陸上競技場]

 令和3年度全国高校総体(インターハイ)「輝け君の汗と涙 北信越総体2021」サッカー競技(福井)島根県予選決勝が5日に行われ、立正大淞南高大社高を1-1からのPK戦の末に下し、2大会ぶり14回目のインターハイ出場を決めた。

 4大会連続の同一カードとなった決勝は、時折強い風が吹く中でキックオフを迎え、開始直後は風上に立った大社のペース。前半2分(35分ハーフ)にMF加古圭佑(3年)がエリア内に抜け出し、GKと1対1のビッグチャンスをつかんだが、立正大淞南GK長野大河(3年)が素早く間合いを詰めてブロックした。

 その後もセットプレーなどでゴールに迫った大社だが、しのいだ立正大淞南は最初のチャンスでスコアを動かす。8分、チームを救ったばかりの長野が自陣からのFKを前線に蹴り込むと、向かい風を物ともしない勢いで大社の最終ライン裏のスペースへ。「最初は自分が競ろうとしたけど、届かないと思って切り替えた」と振り返るFW香西銀二郎(2年)が、右サイドに流れながらシュートを放ち、大社GK栗原拓也(3年)に触られながらもゴールにねじ込んだ。
 
 いきなり先制した立正大淞南は、その後も右からMFイゴル・ヤン(2年)、左からMF三原弘稀(3年)が積極的にドリブルで仕掛け、追加点を狙いにいく。しかし大社の守備陣も粘り強く守り、前半は立正大淞南の1点リードで折り返した。
 
 後半、風上に立った立正大淞南は前線への素早い展開と両サイドからの仕掛けを徹底するが、大社もしっかり対応し、奪ったボールも徐々に落ち着いてつなげるようになっていく。すると15分、ゴール中央に侵入したMF角凌太(3年)が、立正大淞南の守備のアプローチが一瞬、遅れたスキを突いてエリア外から左足を一閃。鋭く右下スミを突いたシュートは、ポストに当たりながらも決まって同点とした。
 
 その後は立正大淞南に勝ち越しのチャンスがあったが、そのまま1-1で前後半を終了し、10分ハーフの延長に突入。ここでも立正大淞南がゴールに迫ったものの、大社が延長後半アディショナルタイムに決定機を迎える。左CKを立正大淞南GK長野が処理できずにゴール前で混戦となり、こぼれ球をMF高月昂希(3年)が至近距離からフリーで狙ったが、立正大淞南DF郷原颯斗(3年)が「ヤバい、と思ってカバーに行ったらヒザに当たった」というプレーで、かろうじてゴールライン上でブロック。直後に主審のホイッスルが鳴り、勝負の行方はPK戦に委ねられた。
 
 昨年度の選手権予選決勝も2-2からのPK戦となり、先に1人が外した立正大淞南に対し、5人全員が決めた大社が勝利をつかんだ。今回は6人目まで全員が成功し、先行の立正大淞南は7人目も成功。ここで立正大淞南GK長野が相手のキックを見事に読んでストップ、激闘に決着がついた。
 
 前述の選手権予選の後、今年2月の新人戦決勝でも大社に0-1で敗れていた立正大淞南は、雪辱を果たして2大会ぶりのインターハイ出場。昨年度はインターハイが中止、選手権も出場できなかったため、2年ぶりの全国大会出場となる。1失点はしたものの、守備陣の安定感を評価した南健司監督は、一方で「予選の決勝という舞台で、仕方ない面はあるけれど、ボールを前線に入れる作業を、まだ怖がり過ぎている。もっとボールをつなぐ勇気を持たないと、行き当たりばったりの攻撃になる」と課題を指摘。「勇気を持つためには、トレーニングする以外にない」と、8月の本番までのレベルアップを誓っていた。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校総体2021
 

TOP