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広島決勝で無名の186cmDF山田満一ムヤヤが好守連発。成長途上の2年生は「次に向けてまた練習」

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中学時代は部員10名のチームでプレーしていたという崇徳高DF山田満一ムヤヤが存在感

[6.13 インターハイ広島県予選決勝 崇徳高 1-3 瀬戸内高]

 まだまだ課題は多い。それでも、インパクトある70分間だった。39年ぶりにインターハイ広島県予選決勝へ進出した崇徳高の186cmDF山田満一ムヤヤ(2年)が、印象的なプレー。3バックの左を務めた山田は、抜け出そうとする相手に強烈なタックルを見舞って止めるなど鋭いタックルを連発したほか、素早いカバーリングや潰しで幾度も相手の攻撃をストップしていた。

 加えて、「ヘディングは結構練習していて、練習から自信をつけてきました」というDFは相手の上から叩くようなヘッドも披露。会場に訪れた年代別日本代表関係者も跳躍力と球際で足が伸びる部分、プレーのインパクトについて称賛していた。

 山田は強敵・瀬戸内高との70分間について、「身体も自分よりも強くて、(自分は)結構劣っている部分が多いなと思います」と首を振る。ビルドアップやフィードの部分、際の部分、またポジショニングで相手に先手を打たれてしまうなどまだまだな部分が多かったことも確か。だが、DFセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)が憧れという大型DFは、アグレッシブに前へ出て瀬戸内高の攻撃をよく食い止めていた。

 コンゴ民主共和国出身の父と日本人の母を持つ山田は、広島市安芸区の船越中出身。在籍当時は部員が11人未満だったというが、「サッカーしたくて、ここに来ました」と広島県1部リーグの崇徳へ進学した。

 崇徳の重里求昭監督は「(中学時代は)誰の目にも留まっていなかった。入ってきた時はボールタッチも素人みたいな形でした。(他校の指導者に)よう、ここまでと言われました。他の学校にも可能性ある子がいるんじゃないですか」と説明する。

 山田は中体連出身選手が多いという崇徳で可能性を示し、一つ一つ積み上げながら「メンタルだったり、技術面も成長したと思います」。今大会で自信をつけたDFはさらなる進化を誓う。

「将来的にはもっと前から奪って、チームをまとめるというか、後ろから全体を動かせるようなCBになりたいです。まだ2年生なので、次に向けてまた練習していきたい」。次の目標は全国。決勝戦を戦った経験も糧に成長し、目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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