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[MOM3501]相洋DF後藤康介(3年)_「能力は凄く高い」俊足左SBが雨中で存在感。鉄壁の守りに加え2A

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相洋高は左SB後藤康介主将が2アシストを記録

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.19 インターハイ神奈川県予選準決勝 湘南工科大附高 1-2 相洋高]

 相洋高は勝利への執念と一体感、そして磨いてきた“湘南スタイル”のアグレッシブな堅守速攻を持って悲願のインターハイ初出場を勝ち取った。チームとしての戦いが光る一方で、魅力的な個も複数。特に左SB後藤康介主将(3年=湘南ベルマーレU-15 EAST出身)が雨中で印象的なプレーを見せていた。 

 元日本代表SB内田篤人を目標とする左SBは昨年、右SBでレギュラーを務めていたという選手。SHとしてのプレーも可能な後藤はスピードと対人の強さ、そして「調子が上がってきていた」というキックで違いを示した。

 右足から放つ絶妙なプレースキックによって開始7分間で2アシスト。自身の武器でチームを勢いづけた主将は、鉄壁の守りも見せていた。湘南工科大附高は右のMF浅尾健太郎(3年)のスピードを活かしてサイド攻撃。だが、50m走6秒フラットの快足を持つ後藤は仕掛けてくる相手の前に身体をねじ込んでクロスを上げさせない。

 裏を取られながらも、後方から追いついてエンドライン際で止めるシーンもあった。完璧に封じ込んだ訳ではなかったが、それでもサイドに蓋をし続けて勝利に大きく貢献。苦しい時間帯で見せるスプリント力、頑張りのきくところもチームにエネルギーを与えていた。

 ヘディングなどに課題があるというが、堅守・相洋にとってその存在は大きい。綱島陽介監督は「今までちょっと、他人事というか、一歩引いて見るようなところがありました。(一皮剥かせるために)キャプテンに指名して、色々なことを経験して、苦しみながら大きく成長してきたかなと」人間的な成長も認めていた。

 その指揮官が、「右も左も蹴れますし、キックの精度が凄く高い。持っているサッカー的な能力は凄く高いです」と太鼓判を押すSBは、全国で名を上げることができるか。「先輩方が悔しい思いをしていたので、その思いも背負って全国大会で良いプレーをしたい。青森山田の松木玖生選手とは一回やってみたいと思っています」という後藤が初の全国で自分の力を全てぶつけて、相洋を白星へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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