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鹿島学園は早生まれの2年生SB櫻井稜が同点弾!高速ドリブル駆使して目標の旧友たちに近づく:茨城

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後半32分、鹿島学園高DF櫻井稜が右足シュートを叩き込んで2-2

[6.23 インターハイ茨城県予選決勝 明秀日立高 3-4(延長)鹿島学園高]

 50m走6秒ジャストの高速SBが、インパクト十分の動きを見せた。鹿島学園高の右SB櫻井稜(2年=大宮アルディージャU15出身)はこの日、前半から斜めに潜り込んでいくドリブルで相手の脅威に。右サイドから個でゴール前まで切れ込んで見せるなど、仕掛けた際にはほとんど止まらなかった。

「縦ばかりだと警戒されてしまうので、中にも行って相手にもどちらか分からないようにやっていました」と櫻井。そのSBは2点を追う後半17分の3枚替えに伴い、ポジションを右SHへ上げた。

 そして、縦突破からCKを獲得するなどチームの勢いを加速させていた櫻井が貴重なゴールを挙げる。1点差として迎えた後半32分、右ハイサイドでMF鈴木仁也(3年)からのロングパスを受けた背番号2は、正確なトラップからゴール方向へドリブルで仕掛け、そのまま右足を振り抜く。強烈な一撃をゴールへ突き刺すと、仲間たちの下へダッシュ。ピッチへ飛び出してきたチームメートたちから祝福を受けると、その後、鈴木雅人監督からも頭を撫でられていた。

 このシーン、頭の中にパスの選択肢は無かったという。「ゴールしないと追いつけないし、延長にも行けないというのが自分の中でもあったので、ゴールを意識してシュートしました。SBからSHに移動しろと言われて、自分の特長のスピードに乗ったドリブルをどんどん活かしてゴールに繋げることができたので嬉しいです」。この後、足を攣らせて延長戦突入前に交代したものの、櫻井の貢献度はとても大きかった。

 大宮U15時代は、守備の対応力やヘディングが課題となってU18チームへ昇格することができず、鹿島学園へ進学。今春、先輩SBの怪我によって先発のチャンスを得たが、当初は「弱気のプレーばかりで先輩や監督からも言われていたので……」。だが、先輩やコーチ陣の助言を受けながら出場を続け、徐々に自信をつけて行ったという。

 そして、全国大会出場を懸けた大一番で大暴れ。早生まれの2年生SBは、大宮U15時代に磨いたビルドアップ力とチーム一とも言えるスピードが魅力だ。「将来は逆サイドなんですけれども、長友(佑都)選手みたいにどんどんオーバーラップして駆け上がれる選手になりたいです。(インターハイでは)自分のスピードを活かして全国に自分の名前を広げられたらと思っています」と目標を口にした。

 大宮U15時代の同期で現在年代別日本代表候補に選出されているCB小澤晴樹(2年)やFW前澤拓城(2年)は、「負けていられないですし、遠い存在ですけれども自分がどんどん成長して近づけたらなと思っています」という存在だ。

 インターハイでは、自身と同じく大宮U15から高体連への進学を選択し、V候補筆頭・青森山田高(青森)で先発を担う注目左SB多久島良紀(2年)との対戦を希望。そのスピードと攻撃力を存分に発揮し、旧友を倒して目標とする存在に近づく。

(取材・文 吉田太郎)
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