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今年こそ全国で上へ。鹿島学園左SB渕伸平主将「接戦のところで勝ち切れるように」

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鹿島学園高の左SB渕伸平主将は日本一を目標に掲げた

[6.23 インターハイ茨城県予選決勝 明秀日立高 3-4(延長)鹿島学園高]

「前半あの形で失点してしまってどうなるかなというのがあったんですけれども、後半と延長含めて全員で諦めることなく全員で勝つという方向に向かって戦えたというのは良かったと思います」。鹿島学園高の左SB渕伸平主将(3年=セレッソ大阪西U-15出身)は0-2からの逆転勝利にホッとした表情を見せていた。

 1年時から先発を経験し、昨年度は選手権も経験してきた実力派の左SBは今年のチームについて、「タレントがいない中で一人ひとりが自分のできることを最大限試合の中でできるというチーム力というんですかね、そういうところが強みかなと思います」と分析する。

 渕は大阪から茨城の強豪へ進学。主将として迎える3年目は重圧もあったという。「去年、全国に連れて行ってもらった立場なので、今年はキャプテンという立場を任せてもらって、ここで全国行けなかったら自分の責任なんかなと思っていました」と振り返る。だが、頼もしい仲間たちと勝ち取った全国切符。チームをより逞しいチームに変えて全国大会を迎えたいという思いがある。

 鹿島学園は昨年度の選手権全国大会に4年ぶりとなる出場を果たし、1勝。だが、2回戦で優勝校の山梨学院高(山梨)に0-1で敗れている。08年度の選手権で3位に入っている強豪も、その後は東京五輪代表に選出されたFW上田綺世(現鹿島)を擁した16年インターハイのベスト16が最高成績だ。

 その16年インターハイも3回戦でGK廣末陸(現ラインメール青森FC)やMF高橋壱晟(現千葉)らを擁した青森山田高(青森)と好勝負を演じた末に0-1で惜敗。だからこそ、渕は「接戦のところで勝ち切れるように、あと1か月準備していきたいと思いますし、優勝目指しているのでそんなところ(3回戦)で負けていられないと思います」と力を込めた。

 個人としてはチームのためにハードワークを貫く考え。「自分は能力的には足の速さとか高さもないので、チームのために献身的な守備だったり、前の選手を活かせるようなチームのためのプレーを意識してやりたいと思います」。まずは、鈴木雅人監督も指摘していたように細かなミスを減らすこと。そして、MF鈴木仁也(3年)やGK小副川虎之介(3年)ら昨年から経験を重ねてきた仲間とともにチーム力を高め、この日のように逆境も乗り越えながら勝ち上がる。

(取材・文 吉田太郎)
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