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関東大会予選優勝校の宇都宮短大附は決勝届かず。「もう一つ課題を感じたかった」:栃木

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試合前から盛り上がりを見せていた宇都宮短大附高イレブン

[6.14 インターハイ栃木県予選準決勝 佐野日大高 0-0(PK3-0)宇都宮短大附高 栃木グ]

 関東大会予選に続く栃木制覇、全国大会初出場を目指した宇都宮短大附高。PK戦へ向かう中、試合を通して前向きな声がけが印象的だったDF北村朔也主将(3年)から「サッカーの神様は笑った方に微笑むんだよ!笑え!」という声が響き、笑いが起こる。だが、大きな重圧の中、3人連続で失敗。好チームは決勝への切符を勝ち取ることが出来なかった。

 判断力の高い攻守と“大人”な振る舞いを見せる北村と、チームを声とプレーで落ち着かせるGK増田吏玖(3年)、エースFW田上羅以伽(3年)をはじめ、質の高い個が揃う。岩崎陸監督は1勝した関東大会からまた「自分たち(選手同士)の関係性が良くなってきていた」と分析する。

 元栃木FWの坂田良太コーチと東京学芸大出身の成島明仁コーチが兄貴分となり、選手たちと良い距離間で指導。「アドバイスを具体的に伝えてくれて、(選手も)北村中心に主体性がある。相手のリサーチなど自分たちから行動、理解をしてということで 良いバランスで今はできている」と岩崎監督は言う。

 チーム状態は良好。実際、この日はボールを保持しながら主導権を握り、後半、そして延長戦と相手ゴールへ迫る回数を増やしていた。守備でも相手の迫力ある攻撃を跳ね返し続けていたが、それでも足りなかったゴールを奪う質の部分。伝統的に我慢強い佐野日大高の壁を100分間、破ることができなかった。

 宇都宮短大附は18年に関東大会予選で初優勝。だが、その年もインターハイ予選準決勝で佐野日大にPK戦の末に敗れている。地元の質の高い選手たちが継続して進学し、前回から自分たちのステージを上げることができていることは確かだが、「これ(伝統校の壁)を超えるのが難しい。結果で変えていきたいです」と岩崎監督。この日の悔しさは力にするだけだ。

 岩崎監督は「選手たちが良いゲームをして課題が出たけれど、(全国上位の)矢板中央と戦ってもう一つ課題を感じたかった」と残念がる。まずは敗戦から切り替えて、プリンスリーグ関東1部に所属する矢板中央高同様、日常から関東大会レベルの試合ができるようにリーグ戦昇格を目指すこと。そして、選手権で必ず全国大会出場という結果を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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