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[MOM4372]前橋育英GK雨野颯真(3年)_東山の“武器”を封じた守護神…今年は「自分の力で勝たせる」

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前橋育英高のゴールマウスを託されるGK雨野颯真(3年)

[7.30 インハイ2回戦 前橋育英 0-0(PK5-3) 東山 カムイの杜公園多目的運動広場A]

「あれは本当に嫌なんだけどね」と前橋育英高の山田耕介監督が振り返ったのは、東山高(京都)のセットプレー攻撃。高さ・強さのある選手が揃っている上に、ロングスローやCKで送り込まれるボールの質も高く、何よりしっかり訓練されていることがわかるタフさがあった。

 思うような攻撃を繰り出せずに苦しんだ試合展開の中で、ポイントとなったのはこのセットプレーに対する守備だった。GKの雨野颯真(3年)はよく声を出してチームを統制しつつ、ハイボールに対しては「去年はパンチングが多かったけど、今年はキャッチすることを意識している」という点も含め、安定した対応を披露し続けた。

 昨年も2年生守護神として優勝を経験。ただ、「自分の力で勝たせたという感じではなかったので」と先輩に連れていったもらったという感覚だと言う。だからこそ、「今年は自分の力でチームを勝たせたいし、それがアピールにもなると思っている」と力強く語る。この日はU-17日本代表の高橋範夫GKコーチも視察に訪れる中で、GKとしての地力の高さはしっかり見せる内容となった。

 迎えたPK戦では「(PKに関するルールが変わって)キッカーにプレッシャーをかけるのが難しくなったんですけど、しっかり相手の目を見ていくことを意識していた」と存在感と目力で威迫。PKを“外させた”感覚で勝利を手繰り寄せることとなった。

 次の3回戦で当たるのは大会の優勝候補、今年の最強チームという声もある尚志高。高円宮杯プレミアリーグEASTではすでに対戦済みで、4失点での敗戦を喫している。「1回やったので、どういうプレーをするのかはわかっている」という経験を活かし、自分の力でチームを「勝たせる」覚悟で臨む。

(取材・文 川端暁彦)

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