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中国新人戦決勝から先発6人が入れ替わるほどの激しい争い。高川学園が競争力も強みにインハイ16強入り

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高川学園高の大黒柱・CB藤井蒼斗主将も競争を勝ち抜いてピッチへ

[7.30 インハイ2回戦 高川学園高 4-0 札幌創成高 忠和公園多目的広場B]

 4-0でインターハイ2回戦を突破した高川学園高(山口)の原動力の一つ、それが競争力だ。この日の先発メンバーの中で、3月の中国新人大会決勝も先発していたのはCB藤井蒼斗主将(3年)、エースFW山本吟侍(3年)ら5人だけ。1年生のMF宮城太郎を含めて這い上がってきた選手たちも全国2回戦を戦った。

 この札幌創成高(北海道2)戦では、今大会から先発起用されているFW山中大樹(3年)が1得点1アシストの活躍。宮城も貴重な3点目のゴールを決めた。江本孝監督は「こっちが予想していない選手が活躍してくれるのは嬉しい」と語り、山中や宮城、そして思い切り良い動きを見せていた左SB西俊輔(2年)の台頭、活躍を喜んだ。

 藤井は「カテゴリーが毎週入れ替わったりするので、チーム内での競争が激しいと思うし、下のカテゴリーを含めて競争心とかチーム内でバチバチしているのが良い。私生活だったら仲が良いけれど、グラウンド来たら意識するみたいで。良い感じでの関係で少しずつできていると思う」と頷く。1年時に選手権3位を経験している大黒柱の藤井も、レギュラー安泰ではない。「どんどん伸びてくる」1、2年生の台頭に負けないように意識していることを明かしていた。

 高川学園では上手いから試合に出られる訳では無い。私生活含めた基準をクリアしている選手たちが、ピッチで戦う権利を獲得している。江本監督は「上手くても、ちゃんと一高校生らしくやれる子にチャンスを与えないといけない」と説明。特に藤井や山本が求められる基準は高いが、中心選手たちはピッチ内外でチームの模範となって公式戦で高川学園に勝利をもたらしている。

 今大会でチャンスを掴んでいる山中は「メンバーの入れ替えが凄くあって、チャンスもあるし、一つのプレーで落ちることもある。いつでもチャンスを見逃さないように、日々の練習から準備してきたと思います」。この日はチームの中心選手でありながら怪我に苦しんだMF佐藤大斗(3年)も1ゴール1アシスト。特にマジメな選手が多いという3年生が中心となって高めてきた競争力を武器に矢板中央高(栃木)との3回戦も突破する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2023

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