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[MOM4377]帝京大可児FW加藤隆成(2年)_“何でもできる”ストライカーが全国の舞台で躍動!! 2得点で逆転勝利の立役者に!!

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2得点を奪った帝京大可児高のFW加藤隆成(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 インハイ2回戦 札幌一 2-3 帝京大可児 東光スポーツ公園球技場A]

「ハーランド選手みたいにポストプレーができて、動き出しも凄く上手な選手なりたい。膨らんだりして、ただ流れるだけでなく自分からボールを引き出して点を決められるストライカーになりたい」。体格の違いこそあるが、速くて強い万能型FWの素養と可能性は十分。何でもできるため、何をしてくるか分からない。相手DFにとって、帝京大可児高のFW加藤隆成(2年)ほど嫌な選手はいないだろう。

 元々、付属中学時代は相手を背負った状態でのポストプレーを得意にしていたが、中学3年生の冬にいち早く高校の試合に出場。技巧派揃いのチームとあって、中盤から良いパスがたくさん出てきたことから抜け出しにチャレンジしたところ、上手くハマり、自らのレパートリーに加わった。高校でも早くから期待されており、昨年は左サイドハーフに挑戦。相手に前向きで1対1を仕掛けていく意識が高まり、プレーの幅が広がった。迎えた今年は2年生ながらも、10番を託された。与えられたポジションも本職の1トップ。心身ともに充実して挑む県1部リーグでは8試合で19得点と大暴れ。「持ち味である1対1で剥がす所を県リーグからやれている。練習試合も強い所とやって、そこでも背負ったり裏抜けしたり、自分の強みをたくさん出せているのが、点に繋がっている」。

 迎えた今大会もゴールラッシュは止まらない。1回戦の西原高(沖縄)戦では開始わずか2分でゴールをマーク。迎えたこの日の札幌一高(北海道3)戦でも序盤から身体を張ったポストプレーで、攻撃を作っていく。前半13分にはMF棚橋奎斗(3年)、吉兼怜真(3年)と繋いだボールがゴール前に入り、加藤がGKと1対1になったが、タイミングよくコースを消され、得点には至らない。「タッチが大きくなってしまった。今思えばループを打てば良かったと思うけど、先に1点決められていて冷静さがなかった」。

 ただ、前半はチャンスを活かせなかったことが残りの35分へと繋がっていく。「前半を1対1で終われたけど、もっと決められるシーンはあった。チャンスはいっぱいあったので後半は自分が決めようと思っていた」。後半11分にはDF伊藤彰一(1年)が入れたクサビを中盤の吉兼がスルーで流すと、加藤は「キャプテンのスルーは、たまに県リーグで出る形。来るのは分かっていた」といち早く反応。そのままGKとの1対1に持ち込み、右足シュートを叩き込んだ。「自分はGKとの1対1が得意ではなかったので、ちょっと緊張したのですが、しっかり冷静に決められて良かった」。札幌一に追い付かれて迎えた26分には、左からカットインしたMF明石望来(2年)のスルーパスから、PA内を抜けて決勝点をマーク。逆転勝利に加藤の活躍は欠かせなかった。

 ストライカーとしての素質は十分で、全国での活躍がこのまま続けば注目度はより高まっていく。これから先は全国トップクラスの相手にどこまでできるか腕の見せどころでもある。「明日は桐光学園で強いのは分かっていますが、敵がどうこうではなく自分たちらしくパスサッカーをやっていきたい。県リーグではあまり見て貰えない中、見られるチャンスだと思うので、しっかり自分の持ち味を出しながら、チームとしても注目されたい」と意気込んだ。

(取材・文 森田将義)

●【特設】高校総体2023

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