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大きかった後半ATのビッグセーブ。国見の2年生GK松本優星は咄嗟の好判断でゴールを死守

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国見高GK松本優星(2年=南島原市立西有家中出身)は好守で準決勝進出に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 インハイ準々決勝 矢板中央高 0-0(PK2-3)国見高 カムイの杜公園多目的運動広場B]

 後半35+1分、国見高(長崎)は相手CKで大ピンチ。ゴール前を横切ったボールをファーサイドの矢板中央高(栃木)CB清水陽(2年)に左足で狙われた。だが、GK松本優星(2年=南島原市立西有家中出身)が相手に対して面を作り、ビッグセーブ。ゴールを死守した。

 このシーン、松本はわずかに反応が遅れてしまっていた。そこで咄嗟に判断。「(相手選手との)距離が中途半端だったんですけれども、そこで中途半端に構えずに突っ込んだら止めれないって判断して、コースも、角度もそんなになかったので、(面を作って)そこで体に当てた」。中途半端に飛び込んでしまうよりも、しっかりとシュートコースを消すことを優先し、身体に当てた。

 1対1の詰め方に魅力を感じるというリバプールGKアリソン・ベッカーが憧れのGK。その松本が至近距離からのシュートを見事に止めた。「あそこの1本をするとしないは大きかったですね」という納得のセーブ。試合を通じて相手のセットプレーを再三受ける中、チームメートたちと声を掛け合いながら無失点で切り抜け、PK戦に持ち込んだ。

 PK戦では、相手の2本目を手に当てながら弾きき出せなかったことを悔しがる。それでも、「練習も結構していて自信はあるので、思い切り飛んでプレッシャーを掛けました」という松本の動きが重圧となったか、矢板中央は1人目と3人目が失敗。5人目のシュートもポストを叩いて勝利が決まり、松本は歓喜の中心となった。

 国見は選手権優勝6回、インターハイ優勝5回の伝統校。松本はその特別な歴史をあまり知らずに進学してきたという。だが、少しずつその歴史を学び、地元の人々の応援を実感。「街全体で国見サッカー部を応援してくれているので力になっています」。昨年度の選手権に出場した先輩たちの姿から刺激を受けたGKは今年、伝統校の躍進に貢献している。

「毎試合毎試合無失点にすることは目標にしている。それが結果に繋がっているのが嬉しい」。次は桐光学園高(神奈川1)との準決勝。「まず無失点で抑えることを目標にして、厳しいゲームになると思いますが、目の前の試合をしっかり勝って決勝に行きたいです」。再び強敵を封じ、日本一に王手をかける。

(取材・文 吉田太郎)
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