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マルセロが不安障害を告白「僕の爪は全てなくなっていた」

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DFマルセロがCL決勝前の不安障害を告白した

 レアル・マドリーのDFマルセロは、2017-18シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)決勝の前、不安障害に襲われていたことを『プレイヤーズ・トリビューン』で明かした。スペイン『マルカ』が伝えている。

 レアルは同シーズンの欧州CL決勝でリバプールを3-1で下し、前人未到の3連覇を達成した。しかし、その偉業の影には想像を絶するプレッシャーと葛藤があり、マルセロは不安障害に襲われていたことを告白した。

「息ができなかった。パニックにならないように努めたよ。2018年のリバプールとの決勝前、ロッカールームでの出来事だ」

「胸が息苦しくなった。非常に大きいプレッシャーだ。あんなプレッシャーを感じたことはあるかい? ナーバスになったというレベルじゃないんだ。ナーバスになるのはサッカーでは普通のことだから。あれはそれとはまったく違ったものだった」

「窒息しそうな気分だった。決勝の夜になる前、あらゆることが起きていた。食べられなかったし眠れなかった。試合のことしか考えていなかった。おもしろかったのは僕の妻が、爪を噛んでいる僕に怒ったことだ。爪を噛むのは何年も前に止めていたのに」

「だけど決勝の朝、僕の爪は全てなくなっていた」

 もっとも、マルセロは数々の大舞台を経験し、プレッシャーに打ち勝ってきたが、リバプール戦前の不安はこれまで感じたことがないレベルだったという。「少しの不安はサッカーでは普通のことだ。もし決勝の前に不安を感じなかったから、本物の人間じゃない」と前置きした上で、「僕にとっては、リバプールとの決勝の前が一番プレッシャーがきつかった」と振り返った。

「すでに僕らは2年連続で優勝していた。外野では誰もがリバプールの勝利を願っていたはずだ。歴史をつくるチャンスがあるとき、そこに重圧はあるものだ。だけどなんらかの理由で、僕はそれを特に強く感じてしまった。あんなに試合前、不安に襲われたことはなかった。何が起きているのかわからなかった」

「医者を呼ぶことも考えたけど、そうしてしまうとプレーできないんじゃないかと思ってできなかった。僕は100%プレーしなければならなかった。自分自身に何かを証明するために」

「数日前、レアル・マドリーの元選手が僕についてTVで言っていたことが頭をよぎった。決勝について聞かれたとき、彼はこう言ったんだ。『マルセロはモハメド・サラーのポスターを買って、壁に飾らなければならない。そして毎晩それに祈りを捧げるんだ』と」

「12年レアル・マドリーに所属して、3回チャンピオンズリーグのトロフィーを獲得したのに、彼は僕のことをTVで中傷してきた。このコメントは僕を落ち込ませた。だけどそれがモチベーションにもなったんだ」

「僕は歴史をつくりたかった。ブラジルにいる子どもたちに、僕がかつて憧れたロベルト・カルロスのような活躍を見せたかった。子どもたちに僕の髪型を真似してほしかった」

「だから僕は自分のロッカーに座って、呼吸困難になりながら自分に言ったんだ。世界の舞台ででプレーできる子供がどれぐらいいるんだ? どれだけの子供たちがチャンピオンズリーグ決勝の舞台でプレーできることを夢見ているんだ? 数百万人以上だ。落ち着け。靴紐を結べよブラザーって」

「いつもどおりピッチに出れば、大丈夫だってことはわかっていた。僕の場合、ピッチ上では悪いことは何も起きなかった」

「混沌のなかで人は成長していける。自分の身の回りがおかしくなっても、地面に足をついてボールに触れば、思い悩まなくて大丈夫になる。すべてが静かになって、平和になる」

「芝生に足を踏み入れたとき、まだ呼吸はしにくかった。それで思った。もし今日ここで死ななければならないとしたら、クソが、そのときは死んでやる、ってね」

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