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昨季CL決勝の入場トラブルに独立委が結論「主な責任はUEFAにある」“被害者”リバプールも声明

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催涙ガスを浴びたリバプールサポーター

 UEFAチャンピオンズリーグのラウンド16を翌日に控えた13日、欧州サッカー連盟(UEFA)は昨年5月28日にパリのスタッド・ドゥ・フランスで行われた欧州CL決勝に関する独立委員会の調査結果を公表した。決勝は会場周辺の混雑によってキックオフ時間が遅れ、多くのリバプールサポーターが入場できないトラブルが発生。また警察の催涙ガスなどによって多くの負傷者も出ていた。

 独立委員会は当事者らへのインタビューをもとに作成したレポートで「大惨事につながりかねない失敗の主な責任はUEFAにある」とUEFAの責任を指摘。UEFAは当初、リバプールサポーターがキックオフ時間遅延の要因だと発表していたが、その「証拠はない」と結論づけられた。

 また報告書では「委員会がインタビューした全ての利害関係者はこの状況が“ニアミス”であったことに同意した。これは大量の死者が出る大惨事になりかけていた時に使用される用語である」とし、「誰も命を落としていないのは驚くべきことだ」と事の重大さが強調された。

 UEFAのテオドア・テオドリディス事務局長は公式サイトを通じて声明を発表。「クラブシーズンの頂点を祝うイベントで影響を受けた全ての人々にUEFAを代表してお詫びしたい。特にリバプールFCサポーターの多くは試合に参加したことでさまざまな経験をすることになり、試合中や試合前後のメッセージにより、キックオフの遅れにつながった事態について不当に非難する形になったことをお詫びしたい」と謝罪した。

 その上で「UEFAは5月28日の出来事を教訓とし、サポーター団体、決勝進出クラブ、開催地の協会、地元自治体と緊密に連携し、誰もが安心・安全、そして快適な環境で試合を楽しむことができるような優れた決勝戦を実現するために尽力していきたい」と伝えている。

 これを受けて14日、ファンの疑いが晴れた形となったリバプール側も声明を発表。「ヒルズボロの惨劇から30年以上が経過したいま、どのクラブも、われわれのファンも、多くの人に壊滅的な影響をもたらすような安全性の欠陥に晒されているのが驚くべきことだ」とし、1989年にリバプールで発生したような群衆事故につながりかねない警備上の不備を批判した。

 また「ヒルズボロの家族、友人、生還者にとって、パリは彼らの苦しみを悪化させるだけだった」とし、決勝の直後には彼らのメンタルケアを行っていたことを強調。その上で「欧州で誇りを持つフットボールクラブとして、われわれはUEFAに対して正しい行動を取り、今後UEFA主催の試合に参加する全てのサポーターの安全性を確保するため、21の提言項目を実施するよう要請した」と伝えている。

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