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[MOM202]中央大FW澤田崇(3年)_「世界へ」の期待かかる逸材ドリブラー

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[10.20 関東大学リーグ1部第17節 中央大1-1神奈川大 味スタ西]
 
「彼は世界に出ていってほしい選手。でもまだ欲がないんです」。中央大・白須真介監督が大きな期待を寄せている逸材ドリブラーだ。FW澤田崇(3年=大津高)は大津高(熊本)時代から注目を集めていた高速ドリブラー。今季は足首や内転筋の負傷によって出遅れていたが、9月29日の慶應義塾大戦では後半だけで圧巻の4ゴールを叩きこむなど、乗った時は手のつけようがない好タレントだ。

 この日もボールを持てばチャンスをつくり出していた。前半24分にはSB古賀鯨太朗(3年=大津高)からのパスを受けると、縦に仕掛けて左足シュート。23分には左サイドからの高速ドリブルによって中盤をひとりで打開し、逆サイドでフリーのFW田辺圭佑(3年=成立学園高)にラストパスを通した。34分にも中盤をドリブルで切り裂いてからFW奥山慎(4年=帝京高)にスルーパスを通し、後半にもFW安柄俊(4年=東京朝鮮高、川崎フロンターレ加入内定)の決定機を演出するなど、後半35分に交代するまでインパクト十分のプレーを見せていた。

 ただし指揮官が「いい時はこんなものじゃないないです。きょうはゴールから逃げるような1対1だった。いい時はもっとゴールへ向かうドリブルをする」と指摘したように、本来の出来ではなかった。本人もそれは自覚しており「得点に絡むプレーがないんで、そこは絡めるプレーがしたい。取ってやろうという気持ちはあるんですけど、なかなか上手くいかないです。(課題は)積極性ですね。(きょうは)後半とか中盤へ降りた時にプレッシャーつかれていて、その後のプレーを考えるようにしないといけない」と首を振った。

 それでも「取られないこと。先手を取って相手に仕掛けることを考えている」というドリブルは個人でゴール前までボールを運び、威力あるシュートにまで持ち込んでくるだけに対戦相手にとっては間違いなく脅威。一方でチームは後期、澤田が4得点を挙げた慶大戦を除くと白星がなく、2位から5位にまで後退してしまった。4位以内が進出する全日本大学選手権出場へ負けられない戦いが続くだけに、澤田本人もチームに貢献したいという思いが強い。「(得点を)取らないと意味が無い。取れる選手になりたい。ウリはドリブルなんでそこは負けたくない。(もう1試合も)負けられないので点取って、練習から雰囲気よくしていって、みんなで強い気持ちもっていけばいけると思う。残り5節全部勝つつもりでいきたいです」。チーム内での危機感が高まっている中で「欲が欲しい」という逸材は、どん欲にゴールを奪い続けることができるか。

(取材・文 吉田太郎)
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