beacon

磐田入り内定の筑波大MF上村「自分を一番必要としてくれるチームで活躍したい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.13 関東大学リーグ1部第2節 筑波大1-1流通経済大 味フィ西]

 筑波大の全日本大学選抜MF上村岬(4年=磐田ユース)が、来季のジュビロ磐田加入内定発表後初アシストを記録した。流通経済大との“茨城ダービー”で右FWとして先発した上村は前半17分にポスト直撃の左足シュート。またインターセプトから自ら持ち込んでシュートを放つなどゴールを狙うと、ボランチへポジションを移した後の後半21分には左中間からディフェンスラインの背後へ飛び出したFW吉川修平へ絶妙なループパスを通して先制ゴールを演出した。 

 右FWとしてプレーしていた時間帯はややボールを受ける回数が少なく、チームも相手を押し込めなかった。それでもボランチへ移行してからはプレッシャーの緩かった中央でチームの攻撃にリズムを加えてチャンスメーク。本人は不満げだったが随所で持ち前の技術を発揮していた。後半40分に追いつかれて引き分けに持ち込まれるなどチームは1分1敗と納得のいく結果を残せていないが、上村は「我慢してやり続けるしか無いと思っている。一戦一戦落ち込んで、『ヤバイ、ヤバイ』と言っている場合じゃない。本当に次に向けて何が良くて、何が悪かったのかという分析をして、切り替えて続けてやっていくしかない」と力を込めた。

 注目された進路は開幕前に“古巣”磐田に決めた。「自分を一番必要としてくれるチームで活躍したいし、もちろん自分がユース出身で3年間育ててくれた恩返しをしたいという思いも強かった。だから早めに決めて、今のチームにも一生懸命専念できるように。あとは筑波の上村岬とジュビロの上村岬という2つの周りからの目線があるというプレッシャーを自分にもかけたいなと思った。もちろんプレーの面でもそうですし、人として、社会人としてもそういったところで周りからのプレッシャーを感じていきたいと思って早めに決めました」

 磐田ユース時代の09年全日本ユース(U-18)選手権では準優勝。上村は10番を背負う大黒柱として決勝進出の原動力となった。ただ、トップチームに昇格することはできなかった。「その時は『何で上げねぇーんだよ』という気持ちだったんですけど、今はここまで来て逆に感謝しかない。上がらなくて、大学に行かせてくれて、本当に感謝していますね。ジュビロはユースから大学出て、またUターンで戻るというのがほぼ初めてということなんで。その第1期生という訳じゃないですけど、小川(大貴、明治大)と二人で成長できて、ジュビロ側も感謝してくれていましたし、期待もしてもらっているので、開幕から試合に絡んでいきたい」

 全日本大学選抜にも名を連ねるMFは自信を持つ技術で舵取り役としても、試合を決める存在としても輝きを放つ。「軸というか、『コイツからすべてが始まっている』という感じの選手になれればいいかなと思っている。どの得点見ても、誰から始まった? となった時に上村から始まったとなれるような選手になりたいですね」と理想像を口にした。攻撃が単調になった時に中盤と前線の間でボールを受けて崩すことなど自分が磐田に入ってプレーするイメージを持っている。「ジュビロ自体が魂入ったサッカーをやるんで、サッカー選手として、まず一生懸命やること。技術には自信をもっているんで、一生懸命やれば自然と結果はついてくると思う。温かい目で応援してくれればと思います。(ユース時代と同じく10番になることは)難しいです。でも(山田)大記さんの後に続ける選手になれるように、活躍したいですね」

 自身にプレッシャーをかけた今季は筑波大、全日本大学選抜で「ジュビロ入りする上村」として注目の中でプレーする。「やって当たり前の、結果を出して当たり前の一年にしなきゃいけないなと思っている。その中でもやれないとプロでも活躍できない」。自分への挑戦。少しでもプロで「戦える」選手となって大学サッカーから卒業する。
 
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第87回関東大学リーグ特集ページ

TOP