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[MOM442]明治大DF袴田裕太郎(3年)_“遅咲き”なるか、期待のSBが正確な左足で決勝アシスト

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左SBでチャンスをつかもうと奮闘するDF袴田

[5.21 第91回関東大学L1部第6節 明治大1-0桐蔭横浜大 味スタ西]

 その左足から放たれたボールは前線へ走り込んだ味方の元へ、きれいに伸びていった。明治大の左SB袴田裕太郎(3年=浜松開誠館高)は桐蔭横浜大戦でMF櫻井敬基(4年=藤枝東高)の決勝点をアシスト。大学3年目でようやくリーグ戦デビューを果たしたSBが6戦目にして“初アシスト”を記録した。

 決勝点が生まれたのは後半9分、千葉内定DF鳥海晃司(4年=千葉U-18)からパスを受けた左サイドの袴田は得意の左足で対角へ丁寧にボールを入れた。「ボールを持ったときに必ず逆サイドの背後を見てからプレーしているので、一番先に見えていました」。PA右へ伸びたボール。走り込んでいた櫻井が胸トラップから右足シュートでゴールネットを揺らした。これが決勝点となり、明治大は1-0の勝利。2戦ぶりの白星を手に入れた。

 アシストした袴田は「自分は左利きのキックが持ち味なので。常にゴールから見て、相手の背後を狙うというのは意識していました。あのシーンは敬基くん(櫻井)もいい走りをしてくれて、いいキックができたかなと思います」と胸を張る。昨季までトップチームでの出番はなく、Iリーグで経験を積み続けたSBは大学3年目の今、巡ってきたチャンスをつかもうとしている。

 試合後、明治大の栗田大輔監督は「今年使い続けていて、まだまだ足りないところは多いですけれど、ああいう形でアシストして結果を残すことで、自信につながってくれればいいかなと思います」と期待している様子を伺わせた。

 浜松開誠館高出身の袴田だが、明治大進学後は苦しいときが続いた。「2年間はどうしても上手くいかないことばっかり、悔しいことばかりでした」と言うとおりだ。リーグ戦デビューは遠く、Iリーグでプレーする日々。なによりも二学年上のDF河面旺成(現・大宮)が左SBを定位置としており、その壁が高かった。

「アキさん(河面)は左利きですし、守備もすごく上手いので、いつもアキさんのプレーを公式戦で見て学んで、自分のプレーに活かしていこうと常に見ながらやってきました」。それでも河面が卒業し、抜けた左SBのポジションを手にするチャンスはやってきた。袴田は今季開幕戦で先発に抜擢されると、ベンチに留まった第4節を除いて先発しているのだ。

「2年間ずっとIリーグでやってきて、リーグ戦には出られなかった。今はチームを代表して出させてもらっているので、必ず勝たなければいけないですし、明治でこのユニフォームを着ている以上は情けないプレーはできないと思っています。自分の武器に監督が期待してくれているので、そこをもっと出さないと、継続して試合に出ることは出来ないと思うので、その武器をもっと試合で出せるようにしていかないといけないです」

 また袴田にとって、左足のキック精度は自他共に認める武器。加えて183cmと低くない背を活かしてのヘディングにも自信があるようで、「CKからのヘディングとかも結構自信があるんですけど、まだあそこが出ていないので、そこにももっと期待して欲しいなと。自分でも点が取りたいなと思います」と言う。

 この日の試合で初アシストを記録し、チームの勝利に貢献。「少しだけでも勝利に貢献できたかなと思うので、チームも勝てましたし嬉しかったです」と微笑んだSBだったが、「正直自分としては悔しい気持ちの方が大きいです。DFで距離が遠かったり、一対一の部分でやられてしまうところがあるので、その軽さがまだたくさんあるので、そこをもっとやっていかないといけない」と表情を引き締めた。

「諦めなければ結果として、こうやってリーグ戦に出られるようになる。信じてやってきたので、もっとやらなければいけないです」。雌伏の時を過ごしたSBに巡ってきた目覚めのとき。期待に応え、花咲かすことはできるか。

(取材・文 片岡涼)
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