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[関東]「夏前から急成長」高校選手権でも活躍した拓殖大MF日野翔太が大学L初ゴール

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[8.1 関東大学L1部第12節 法政大2-5拓殖大]

 大勝劇の口火を切ったのはルーキーの一撃だった。前半17分、FW田中幸大(4年=東海大甲府高)からのパスをエリア内で受けたMF日野翔太(1年=堀越高)は左から来たDFを切り返しで冷静に外すと、左足で蹴り込み、先制点を奪った。

 前期リーグで5試合に出場していた日野だが、後期リーグ初戦で待望の大学リーグ初ゴール。「いいところにこぼれてきて、最初右足でシュートを打とうと思ったけど、左から相手がつっこんでていたので、切り返して左で打つ選択をしました。毎日の練習からゴールへのこだわりを持ってやっているので、そういうところから冷静になれたのかなと思います」。常に冷静な判断ができることが、日野の何よりの武器だ。

 拓殖大にはレベルの高い環境を求めてやってきた。コロナ禍もあり進路決定が難しい時期もあったが、昨年夏の大学合同トライアルに参加するなどして、慎重に進路を見極めてきた。2部リーグから1部に昇格するという点も選択に大きく影響したという。

 昨年度は堀越高の主将として、高校選手権の東京都予選を29年ぶりに制覇。さらに本大会では同校を史上最高成績となる8強へと導いた。「(自分たちの代は)期待されていて、全国に出ないといけないという使命みたいなものがありました」とプレッシャーがあったと振り返るも、「キャプテンとしてチームを引っ張って、全国に出られたことが一番良かった」と成長の糧になっていると明かす。

 拓殖大ではMF浅倉廉(2年=静岡学園高)らとトップ下のポジションを争っている。玉井朗監督は2人のハイレベルな実力を認めつつ、「ボール扱いは浅倉は天下一品なんですけど、相手ボールの時に日野の方が泥臭く、逞しくやれる。あとシュートが日野の方が上かな」と解説。その中で日野が「夏前から急成長してきている」という。

 日野自身も成長速度を加速させたいと考える。初ゴールに喜びはあるが、当然満足することはない。「今日は1ゴール1アシストできたけど、公式戦5ゴール5アシストを目指しています。まだゴール数が足りないので、次節もしっかりやれるように練習していきたいです」。日々の練習から理想を貪欲に追い求める。

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

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