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「縁があるのかな」大阪学院大GK梅田陸空は今夏ブレイクを遂げた地・仙台でプロキャリアをスタートへ

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仙台入りが決まったGK梅田陸空

「ずっと目標にしていたことが決まったので一安心という気持ちと、これからという気持ちがあります」。ベガルタ仙台への入団を内定させた大阪学院大のGK梅田陸空(4年=大阪学院高)は、喜びを語るとともに決意を新たにした。

 今夏の全国大会、総理大臣杯で最も存在感をみせたのが梅田だった。初戦の札幌大戦でPKストップを見せてチームを勢いづけると、3回戦の明治大戦でもPKストップを披露。さらに同試合のPK戦で2本のセーブを含む4本を失敗に導くと、準決勝の駒澤大戦でもPK戦で2本を止める大活躍で、初の決勝へと導いていた。

 国士舘大との決勝では終了間際に決勝点に繋がるキャッチミスをしてしまったが、それもまた今夏の大会を象徴するプレーになった。

 仙台は総理大臣杯が開催された土地でもあった。「縁があるのかなと思いました」。大会後に連絡を貰うと、1週間ほどの日程で練習に参加。昨年もセレッソ大阪などの練習に参加したことがあったが、その時には感じることの出来なかった手ごたえを持つことが出来たという。オファーはすぐに届き、梅田も二つ返事で了承した。

「連敗している時に行ったんですけど、めちゃめちゃ雰囲気が良かった。ここでやりたいなと思いました。仙台は全体的にGKのレベルが高いので、そこもいい所かなと思う。いいスタートが切れるように、いい準備をしていきたいです」

 武器は187cmの長身と抜群の身体能力だ。「自分でも何でサッカーをしているのか分からない」と苦笑いするほど、ほかのスポーツもなんでも出来る自信があるという。実際、1歳年上のお姉さんの彩香さんは、Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)のアイシンウィングスで活躍するアスリート。梅田本人も跳躍力に一番の自信を持っていると胸を張るように、血筋の良さを感じている。

 すでに“プロの環境”で過ごせていることも、アドバンテージにしていきたい。ただ大学で指導を受ける實好礼忠監督、松代直樹GKコーチ、石櫃洋祐コーチの“元Jリーガートリオ”からは「プロに入るだけなら誰でも出来る。そこからどうするかは自分次第、こっからやぞ。甘くないから頑張れ」と厳しい言葉を貰っているという。

 そして自分自身でもプロの舞台で活躍するためにはレベルアップが必要なことも分かっている。

「大学に入ったころがプロになると口にはしていたけど、明確じゃなかった。でも普通は気持ちが薄れることが多いけど、自分の場合は逆に高まっていった。一番成長したのはメンタル面。クラブにも伸びしろを評価してもらったので、まだまだ頑張りたいです」

 大卒で仙台に入団。そこから海外リーグに羽ばたき、今回のワールドカップメンバーにも選出されたGKシュミット・ダニエルに成長イメージを重ねる22歳が、来春より憧れのプロキャリアをスタートさせる。

(取材・文 児玉幸洋)
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