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[MOM856]東海選抜MF永田貫太(中京大3年)_プロへの扉に手をかける1ゴール1アシスト

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1ゴール1アシストを記録したMF永田貫太(中京大3年=鵬学園高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.28 デンチャレ グループB プレーオフ選抜0-2東海選抜 ひたちなか市総合運動公園]

 1ゴール1アシストの圧巻パフォーマンスを披露した。まずは前半22分、左サイドでスルーパスに反応したMF永田貫太(中京大3年=鵬学園高)はそのまま縦に抜けて、マイナスクロスでMF藤井皓也(中京大3年=静岡学園高)の先制弾をアシストする。さらに後半7分にはMF井堀二昭(東海学園大3年=静岡学園高)の右CKを右足ダイレクトで合わせて追加点を奪った。

「立ち上がりから自分の良さが出て、すごくいい形でアシストが出来ました。縦への推進力は武器にしていて、プロを目指す上でそこは負けちゃいけないという気持ちでやっている。(ゴールの場面は)正直、あのシュートはあまり打ったことがなかった。でも今日はここに来そうだなという感じだったし、シュートも上手く当たったので、持っていたなと思います」

 プロになるという覚悟を常にしてきた。愛知県出身だが、高校は石川県の鵬学園高に越境入学。「プロになるために、人ととしても、サッカー選手としても成長したいという考えで、早めに外に出ようと思いました」。親に頼み込んでの進学だったという。

 最初は石川県の名門、星稜高への進学を考えたが、進学を目指す中で、その星稜を倒そうという野心家集団の存在に出会ったという。「エリート集団に入ってなあなあになるより、自分としてはエリートチームを倒してみたいと思った」。そして鵬学園の10番を背負った3年時の最後の高校選手権で、宿敵・星稜を見事に破ることに成功した。

 ただプロになるという約束を果たすことは出来なかった。「星稜を倒して全国に出れたことは良かったけど、当時はプロになる実力はなかった。そこで親には申し訳ないけど、地元に戻ることを条件に、もう一度チャンスを下さいとお願いしました。中京大学さんが誘ってくれたので、次は絶対にプロにならなければいけないと思いました」。

 しかしこの決断は、永田をよりいい方向に導いた。高校時代は“野心家集団”にいたものの、決してサッカーレベルが高いわけではなかった。一方、大学に進学すると周囲には自分より上手い選手が山ほどいた。「今までだったら通用したところが通用しなくなった」。ただそこで足元を見つめ直せたことで、次のステージに進むイメージが持てるようになったという。

「自分で考えながら、コーチや監督にいろいろ言われながら、大学に入って成長している実感はあります。大学に入るまではプロは自分の実力じゃ遠いなと思っていたけど、大学3年になって、ちょっとプロが見えてきた。インカレやデンソーで自分を出せれば近づいてくると思っています」

 この日見せたパフォーマンスがプロへの扉を開くきっかけになるかもしれない。「そうですね、本当にそうしたいです」。より覚悟を固めるとともに、明確になってきた未来の自分の姿。実現させるその日まで、自らの可能性を信じ続ける。

(取材・文 児玉幸洋)
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