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[関西]インカレ&大臣杯で躍進の好循環も…関西学生リーグの展望、JクラブU-23世代との育成の場「ステップアップリーグ」の今後は

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関学大とびわこ大の開幕戦

 2023年度 第101回 関西学生サッカーリーグが4月8日に開幕。新型コロナ対策も緩和され、3年ぶりに全加盟チームが参加しての開会式も行われた。今年度は大会前に記者会見が実施されなかったが、朴成基技術委員長に関西地区の強化方針についてを聞いた。

 デンソーカップチャレンジサッカーでは、関西選抜が2021年度は準優勝、2022年度は優勝と着実に強化の実績を結果につなげている。3月21日に行われた日韓戦の全日本大学選抜にも関西から多くの選手が選出され、中心となる活躍を見せた。2020年度はコロナ禍の影響を受けて、選考や強化が思うように行えずに選抜チームが振るわない結果となったが、その失敗と反省を生かした強化活動が実を結んでいる。朴技術委員長は「結果だけでなく、内容的にも関西らしさがちゃんと出せた。そういうところは今年以降も引き継いでいきたい」と強化方針の継続を明言している。

 関西学生サッカーのレベルアップに大きな役割を果たしてきたのが、関西ステップアップリーグだ。関西のJクラブと関西選抜が対戦することで、U-23世代の強化育成につなげてきたが、コロナ禍とJリーグの日程の問題もあり、現在は中断となっている。「Jのスケジュールが厳しくて、対戦日程を決めるのが難しいのですけど、全日程を消化できなくてもやっていきたいという意向がある状態。Jクラブの強化担当とも、コミュニケーションをとっているが、開催を熱望している。手探りですが、やっていければ」と、前向きに再開が検討されている。

 単独チームでも2021年のインカレで阪南大が準優勝、2022年には総理大臣杯で大阪学院大が準優勝、インカレで関西学院大がベスト4と全国大会でタイトルに迫る戦いを見せている。全国での戦いを体感したチームが、その経験値を自らのチームに落とし込んでいきながら、関西のリーグの中で基準を伝えて、互いを高め合うという好循環ができていると朴技術委員長は挙げる。「関東に比べてインテンシティでは少し落ちる面はあるかもしれないが、クオリティの高さは変わらない。こちらが追う立場で、目標となる相手がいるのは戦いやすいし、励みになる」という言葉には、大学サッカーのトップを行く関東を目標としつつ、関西の取り組みに対する自信も感じさせた。

 今季のリーグについては、「3連覇を狙う関学が強そう。個人だけでなくチームとしての総合力がある」と話すが、第1節の結果を見る限り、どのチームも力が拮抗。終盤まで優勝やインカレ出場枠を争って、激しい戦いが繰り広げられることに期待したい。

(取材・文 蟹江恭代)
●第101回関西学生L特集

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