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[MOM877]国士舘大FW東川続(3年)_2戦連続の決勝点!連覇を目指す総理大臣杯出場へ導く

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決勝点は後半41分に生まれた

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.27 アミノバイタルカップ準々決勝 国士舘大1-0東京国際大 AGFフィールド]

 この日も切り札としての役割をきっちり果たした。ベンチ横でアップを続けていたFW東川続(3年=四国学院大香川西高)に声がかかったのは、スコアレスで迎えた後半26分。1年生FW本間凜(関東一高)と交代でピッチに入ると、精力的に前線を駆け回る。

 そして後半41分、MF布方叶夢(4年=日大藤沢高)のスルーパスに反応した東川はGKを外して無人のゴールに流し込む。3回戦に続く決勝弾を決めて、国士舘大を2大会連続となる総理大臣杯出場へと導いてみせた。

「叶夢くんから俺に入ったらどんどん裏を狙っていいよと言われていた。『オフサイド!』と相手チームから聞こえたけど、やるだけやってオフサイドだったら仕方がないと思って最後までやりました。GKが前に来ていたの焦ったんですけど、落ち着いて決められたなと思います」

 “悔しさ”をぶつけたゴールにもなっていた。この日は、チームの大黒柱で22日に来季の東京V入団内定も発表になったFW古川真人(4年=実践学園高)のコンディション不良により欠場。寮を出発する時に古川から「今日は頼んだぞ」と声をかけられたという東川は、思いを背負って会場にやってきていた。

 ただ「3回戦で点が取れたから先発で出られるかなと思ったんですけど」という考えとは裏腹に、この日もベンチスタートが決定。もっとも、ジョーカーとして起用したいという首脳陣の期待も感じているが、やはり「スタメンで出られなかった悔しさ」を試合中も胸に秘めながら、出番を待っていた。

「2試合連続のゴールなので乗っているなという感覚はありますけど、やっぱりスタメンで出ていないので、悔しい思いが一番にある。自分の実力がまだまだ足りない。真人君は憧れだけど、そこを越さないと試合に出られない。もっと頑張りたいと思います」

 大学での日々の成長を感じていないわけでもない。昨年は4月9日の早稲田大戦でリーグ戦初出場初ゴールを記録。中学まで在籍したツエーゲン金沢の下部組織でチームメイトだったFW駒沢直哉(早稲田大)とピッチで再会した試合で、結果を残せたことも喜びを倍増させていた。

「直哉は小学校の時から知っているんですけど、自分の中では遠い存在だった。僕が上がれなかったユースに直哉は上がって、活躍して。国体で得点王になった時は、凄い差を感じた。でも去年の早稲田戦でやっと直哉とピッチで会えて、そこでゴールを決められたことがめちゃめちゃ嬉しかった。やっと並べたというか、やっと同じところに立てた思いがあった。おこがましいんですけど、ライバルとして見ているので、またピッチでやれるように頑張りたい」

 奇しくも早稲田大とは30日の準決勝で対戦予定。再戦の舞台はもう間もなく訪れる。

 総理大臣杯への出場を決めた国士舘大だが、2年連続の関東チャンピオンとして出場することももちろん意識していく。「まずは(30日の)準決勝に勝って決勝に進むことが今の目標。決勝に進んでから連覇と、一つひとつ勝って次に進みたい」。そして全国大会へ。「去年の大臣杯の決勝は出られずにベンチで優勝を見た。優勝は嬉しかったですけど、出られなかった悔しさがあるので、今年は出て優勝したいです」。東川もまた一つひとつ、“悔しさ”を晴らしていく。
 
(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集

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