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[関東]J1昇格POと同時刻に運命のキックオフ、中央大が1部残留を決めた瞬間はJ1も…清水内定GK猪越優惟「J2でもJ1でも」

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中央大が1部残留を決めた

[12.2 1部参入プレーオフ 中央大1-0山梨学院大 浦安]

 国立競技場でJ1昇格の残り1枠をかけた東京ヴェルディと清水エスパルスがJ1昇格プレーオフを戦った同時刻に、中央大が山梨学院大と1部参入プレーオフを戦った。「明日だったら見に行けたんですけどね」。清水入りを内定させる主将GK猪越優惟(4年=帝京長岡高)も、気が気ではなかったようだ。

 ただ猪越は役割を全うした。前半7分に先制して主導権を握ると、同42分にはゴール前で許したFKを猪越が好セーブで止めて得点を与えなかった。後半は相手に押し込まれる場面も多かったが、それでも無失点に抑えて完封勝ち。「試合前から押し込まれる時間があるということはみんなの認識の中にあった。いい準備が出来ていたからこそ無失点で終えられたと思います」。1部の残り1枠をかけた戦いは、中大に軍配が上がった。

 そして同時刻に行われていた大一番、中大が勝利した瞬間までは、清水がリードして進めていた。しかし主将として猪越がホームスタンドに向かって挨拶しているときに、スタンドの一部から声が上がった。東京VがPKで同点に追いついた瞬間だった。

 山梨学院の応援席に挨拶に行った時も、猪越には「1-1だよ!」と声がかけられていた。猪越は結果に複雑な表情を見せるも、「J2でもJ1でも、GKのメンバーがこのままならレベルが落ちることもない。その中で出られるように。関係なくはないけど、1年目なのでフレッシュに、(カテゴリは)あまり意識せずにやっていきたい」と前向きに話した。

 大学ラストイヤーは苦しいシーズンになった。3シーズンぶりに1部を戦った中大だったら、初勝利は第9節。シーズンを最下位で折り返した。ただ中大の降格は決定的という見方もされた中で、上位勢とも戦った残り5試合を3勝1分1敗で切り抜けて、自動降格を免れていた。

 そして初の1部昇格を目指す山梨学院大をプレーオフで下して1部残留をもぎ取った。主将として送った悩ましいシーズン。最後は自分よりも周りに意見を発信させることで、チームの成長求めてきたという。「特に3年生が多く出ていたので、引っ張らせるような意識をしていました。後輩が成長してくれたのが、立て直せた要因かなと思います」。

 清水がJ2を戦うことが決まったことで、中大からJクラブに進む5人(猪越(清水)、山崎希一、牛澤健(いずれも水戸)、田邉光平(山口)、有田恵人(仙台))は全て、J2からプロ生活をスタートさせることになった。「ここからはライバル」と意識を強めた猪越は、「一番最初に活躍したいですし、先輩で言えば坪井(湧也)くんが(ヴィッセル神戸で)優勝している。いい刺激を貰っているし、追いつけ追い越せじゃないけど、個人としてもレベルアップできるようにやっていきたい」と決意を新たにした。

(取材・文 児玉幸洋)
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Text by 児玉幸洋

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