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[関東]“名古屋U-18最強世代”の10番田邉光平は中村憲剛氏の指導でプレー面進化、縁を感じる山口でプロ生活をスタートへ

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中央大の10番を背負った田邉光平

[12.2 1部参入プレーオフ 中央大1-0山梨学院大 浦安]

 後輩たちの運命をかけた3試合に、互いに意識しながら大学4年間を過ごしてきた選手たちがいた。彼らは名古屋グランパスU-18出身。高校3年生の時に彼らはクラブユース選手権(クラセン)とJユースカップで優勝。圧倒的な成績を残して注目を集めた世代だった。

 そしてその多くが大学に進学。それぞれ強豪校に進んで、4年後のプロ入りを目指してきた。そしてこの日、第1試合となった2部参入プレーオフには青山学院大にDF新玉瑛琉、第2試合の1部参入プレーオフには中央大にDF牛澤健とMF田邉光平、そして第3試合の2部参入プレーオフには専修大にFW村上千歩がいた。

 この日も試合に合間に言葉を交わす場面が見られた。新玉が「自分たちは本当に仲が良くて、ライバルとして戦って行きますけど、最後に一緒になれたらいいねという目標をみんなが持っている。最後、どんな形であれ、同じピッチでやりたいなと思っています」と話したように、4年経った今も関係性は当時のままのようだ。

 田邉は大学ルーキーイヤーの開幕戦に先発出場するなど、4年間、主力として戦い抜いてきた。そして大学3年生の時に大学OBで元日本代表の中村憲剛氏がテクニカルアドバイザーに就任。アドバイスを受けることも多く、「憲剛さんの言葉は重みが違う。ターニングポイントを作ってもらった」とプレー面の進化にも大きな影響があったという。

「(3年生の時に)2部でアシスト王になれたし、これからも長所を磨いていきたい。あとは大学に来て個を重視すること、そこではがせる選手が価値を高めていくと感じたので、そういうのはとても成長したかなと思います」

 来年からはレノファ山口FCでプロ生活を始めることになる。実は山口は高校時代にも練習に参加。当時は入団には繋がらなかったが、縁を感じている。「ここからが本当のスタート。スタートに立てたことが嬉しいので、一サッカー選手として価値を高められるようにしたいです」。

 そして田邉も仲間との対決を心待ちにする。小学校3年生から大学4年生まで14年間、いつも一緒にプレーした牛澤ともついに離れることになる。「大学でもそうでしたけど、対戦は何倍も楽しい。(牛澤とは)来年対戦があるかもしれないし、健以外も同期との対戦は本当に楽しみです」。“ライバル物語”は各所で続いていく。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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