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明治大は14年連続Jリーガー輩出!札幌MF田中克幸「小野伸二選手のような日本を代表するファンタジスタに」

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明治大からJリーグに進む6人が会見を行った

 昨年末の大学選手権(インカレ)で4年ぶり4度目の優勝を飾った明治大は12日、Jリーグに内定する選手6名の合同記者会見を行った。Jリーガーの輩出は14年連続となる。

 栗田大輔監督は「夏にブレーメンに加入した佐藤恵允を含めると7人になる。コロナ禍や寮の引っ越しなど、色んな変革期を過ごしてきた。明治のOBの選手の多くがJリーグの舞台で活躍しているが、ブレない力、自分の芯を持って活躍していってほしい」とエールを送った。

●DF岡哲平(→FC東京)
「大学生活で印象に残っていることは、4年間、積み重ねてきたことが出せたインカレ決勝です。最後の瞬間は忘れることが出来ません。今後の目標は海外で活躍する日本を代表するCBになりたい。そのためにまずはFC東京で活躍したい。FC東京がリーグ優勝をするために貢献したい。幼いころからの夢だったプロサッカー選手をFC東京で始められることが嬉しいので、その恩を返せるようにしたいです」

栗田監督評
「一番の武器は両足のフィードが蹴れること。それと対人の強さが強み。この中では下級生のころから一番出ていると思う。全日本大学選抜にも選ばれて、日韓定期戦ではMVPを取った。人間的な強さを身に着けて戻ることを嬉しく思う。ただプロの世界はどこの世界もFWが強烈。ちょっとでも隙が出来るとやられてしまう。うまく行かなくなった時に修正して前を向けるかというメンタリティに期待したい」

●MF田中克幸(→札幌)
「明治での4年間はとても濃い生活が出来ました。4年間で印象に残っていることは、同期の存在。日常のすべてが思い出になる。その先頭に立ってくれた(井上)樹を日本一のキャプテンにするという目標のもとインカレをスタートさせて日本一を獲れたことが印象に残っている。今後は小野伸二選手が現役を引退されましたが、小野選手のような日本を代表するファンタジスタに、世界に名を轟かすような存在になっていきたい。札幌のタイトルのために、いち早くチームの勝利に貢献できるように野心を持ってやっていきたいです」

栗田監督評
「高校時代もインパクトのある選手で、同期にもいい選手がいて、プロの選択肢もあった中で、明治に入ってきてくれた。厳しく接してきたが、もっとワクワクするプレーができると思っている。チームのためにとか、泥臭さを4年間でどれだけ身に着けられるかと考えた。一番最後に花が咲いてくれた。戦術的にインカレは準決勝、決勝と後半から使ったが、その中で強烈なリーダーシップを発揮してくれて感動した。札幌でミシャさんのサッカーでポジションがどこになるのか楽しみ」

●DF井上樹(→甲府)
「明治で4年間、充実した日々を過ごしてきたけど、自分は1年生の時に夏に右ひざの大怪我をした。その当時はショックでしたけど、その期間で色んな人の有難みを感じることができたし、成長する出来事だったと感じています。最後のインカレもその経験が大きな力となって優勝できたと思っています。甲府に戻るわけですが、明治での4年間で成長した姿をみせて、甲府の皆さん、山梨県の皆さん、明治大学の皆さんに恩返ししたい。甲府では自分の持っているパフォーマンスをすべて出して、チームの勝利に貢献したいと思います」

栗田監督評
「小学校の時からヴァンフォーレ甲府で育ち、明治を経て戻ります。ずっとキャプテンで、明治でもキャプテンをしてくれた。非常にもがいたと思う。この一年は初めのスタートで迷惑もかけた。タイプ的には対人の強さは売りだと思うが、プレーの幅が出たと思う。3年生の時はボランチもやっていた。甲府時代のキャプテン像と違う、明治でのキャプテンとして幅を広げたことが一番の収穫だと思う。甲府に帰ってかなりクラブの人も期待していると思う。その中で力を発揮してほしい」

●FW太田龍之介(→岡山)
「4年間で印象に残っていることは、毎年夏に行われる合宿。内容としてはフィジカル強化を目的とした合宿で、練習からの帰り道は、グラウンドから宿舎まで10キロほどの山道を走って帰る過酷な合宿。でもそれを乗り越えたことでチームが強くなったという実感がありますし、後輩たちにはまた来年から頑張ってもらいたい。今後の目標はワールドカップに出場して海外挑戦をしたい。加入先での目標は、高校時代にお世話になったクラブに戻るので、恩返しのために今年こそはJ1に昇格できるように頑張ります」

栗田監督評
「一年生のころに鮮烈なデビューをした。ファジアーノ岡山から明治に来る初めての選手だったが、長身でしなやかなプレーをする選手だと思った。4月1日生まれということもあって、この4年間でどう変わるかが楽しみだった。特徴的にはポストプレー、シュートが武器。4年間で体も一回り大きくなった。特に佐藤恵允がブレーメンに行ったあとでチームを引っ張ってくれたのは太田だった。責任感が自覚として芽生えて、覚悟がプレーの力強さと得点力のアップに繋がった。チーム内の競争で武器を磨いていった。大学経由で岡山に戻る初めての選手だと思う。ルックスも甘い。岡山では人気も出ると思うが、サッカー選手として上に行ってほしいなと思います」

●DF村上陽介(→大宮)
「明治大学での思い出は一つは昨年末のインカレ。4年間の積み重ねだったり、(2年生の時に)最後に優勝を持って行かれた悔しさだったり、そういったことがすべて報われた瞬間だったなと思った。2つ目は寮。8人部屋だったり、16人部屋だったりという寮から(今年度から)新しい寮に引っ越して、僕個人としてもそうですし、明治大学サッカー部にとってもターニングポイントになったと思う。今後の目標は、まずは大宮を僕自身が中心となって必ずJ2に上げること。そして海外で活躍する選手になっていきたいです」

栗田監督評
「U-17日本代表に名を連ねて、期待されて入ってきたが、4年間苦しんだと感じる。自分の強みと弱みの部分に向き合ってくれた。僕が見ている分には逃げなかった。できることをコツコツ積み重ねてくれた。試合に出ても出なくてもやり続けた姿が印象的。リーグは出場が少なかったが、インカレでは村上に駆けようと思わせてくれた。大学4年間で、縦に繋がるプレーが磨かれた。大宮はJ3からのスタートになるが、そこにいてはいけないクラブだと思う。明治で培った実直さ、泥臭さでJ2に上げて、個人としても飛躍してほしい」

●DF阿部稜汰(→今治)
「大学生活で印象に残っているのは、最後のインカレの仙台大学戦で初めてゴールを取れたことです。自分は明治に入って、思うようにいかない時期が長かったけど、最後の大会で決して美しいゴールではなかったけど、最後に得点という形でチームに貢献できたことは嬉しかった。今後の目標は明治のサイドバックとして結果を残せるように頑張っていきたい。これまで自分が培ってきたものをすべてチームのために発揮して、J3優勝、J2昇格のために頑張っていきたいです」

栗田監督評
「左サイドバックですが、右利きの選手。スプリント、アップダウンの多さ、攻撃の突破する力、左足のキックが強み。明治のサイドバックは代々求められるものが高いが、それを1年生のころから追及してきた。自分の武器をどれだけできるかにチャレンジし続けてきた。最後のインカレでも3バックのワイドの部分でしたが、追及してくれた。阿部の力で今治を元気にしてほしい。去年も惜しいところで上がれなかったけど、次はJ2の舞台だと思うので、最初からレギュラーを取って、阿部自身もどんどん上に上がって行ってほしい。明治のSBの先輩たちを越えて行ってほしい」

(取材・文 児玉幸洋)

●第97回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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