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[デンチャレ]昨年は天皇杯初戦で王者となる甲府から得点、中国選抜DF毛利隼は「自身の価値」を追い求める

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[2.20 デンチャレプレーオフ 中国選抜2-2四国選抜]

 後半立ち上がりの2失点でドローに持ち込まれた中国選抜だったが、全体的な内容では上回っていた。それだけにもったいない勝ち点1。左MFで先発した毛利隼(IPU・環太平洋大3年=大阪学院大高)も「とても悔しい。四国だけには勝ちたいと思っていたので」と素直な感情を吐露した。

 中国地区の大学生でも全国で戦えることを証明したいと考えている。有力選手はどうしても関東や関西の強豪大に集まる。毛利も「高校時代に全国にも出たことのない選手の集まりで、関東や関西に比べたら僕らは無名の選手ばかり」と自覚するが、だからこそ「中国リーグも切磋琢磨して強い気持ちでやっている。何とか食い込んでいけるように頑張りたい」と思いを強くする。

 毛利自身は自らの意思で、岡山で大学生活を過ごすことを選んだ。生まれは神戸、高校は大阪で過ごしたが、「都会の誘惑」から来る甘えを断つことで、サッカー選手として、何より人間としての成長を求めたという。「自分の価値を示すことが恩返しになると思う。関西にいる友達にお前、『試合に出てるんや』と言ってもらえるのが嬉しいので、頑張れています」。

 昨年は成長を実感することがあった。天皇杯に出場したIPU・環太平洋大は1回戦でヴァンフォーレ甲府と対戦。毛利はその試合で前半30分に一時同点に追いつくゴールを決めた。「そこで自分の価値を示すことができた。それでよりプロになりたいという気持ちになりました」。甲府がそのまま優勝したことも自信に繋がったようだ。

 これからも価値を示すことにこだわっていきたいという。昨年度の環太平洋大は、史上初めて、3人のJリーガーを輩出した。全国大会に出ることが出来ない代だったが、個人として価値を示したことで、目標を掴んだ先輩の姿を間近で見ることが出来た。「意識を高くしてやり続けてくれている選手を見てきた。追いつけるように、自分自身の価値をアピールしていきたい」。毛利もこれまでも多くの選手が発掘されてきたデンソーカップチャレンジを思い描く理想の未来への足掛かりにする。

(取材・文 児玉幸洋)

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児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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