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[デンチャレ]高校でサッカーを辞めようとしていた道産子がJ注目FWに…桐蔭横浜大FW渡邊啓吾「期待に応えたい」

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待望の初ゴールを決めたFW渡邊啓吾(桐蔭横浜大3年=旭川実高)

[2.24 デンチャレプレーオフ決勝 関東選抜B8-1四国選抜]

 やっと決まったな。そんな声がチームメイトからも多くかけられていた。3-1で迎えた後半27分、左サイドでエリア内に侵入したMF山市秀翔(早稲田大2年=桐光学園高)のクロスをFW渡邊啓吾(桐蔭横浜大3年=旭川実高)が難しい体勢から頭に当てて流し込む。関東選抜Bのプレーオフ突破を決定的にする得点になった。

 渡邊はプレーオフの全3試合で先発出場。2戦目に決勝進出に導く貴重なアシストを記録していたが、多くのシュートを放ちながらも得点を挙げることは出来ていなかった。「やっと点を決められました。この大会でのゴールは目標というか、使命だと感じていた。決められてよかったです」。渡邊自身もホッとした表情をみせた。

 ピッチ脇に残る丸められた雪の塊が、気分を高揚させていた。プレーオフ初日の20日は気温20度を超える陽気だったが、翌日から一変。3日目の22日は会場が変更となるほどの降雪に見舞われた。「この雪でテンションが上がっていて、ブーストがかかっていたと思う」。上京して3年で“寒さへの耐性”がやや弱まったと笑うが、白い景色が道産子の血をたぎらせたようだ。

 最初は北海道を離れるつもりはなく、高校でサッカーを辞めようと思っていたという。中学時代は北海道コンサドーレ札幌U-15、高校は旭川実高で強豪チームでプレーしたことで、「プロの難しさは身近に感じていた」。地元の教育系大学に進学して、キャンパスライフを謳歌しようと考えていた。

 ただ高校3年生の夏に転機が訪れた。8月に石川県で開催された和倉ユースサッカー大会に参加すると、そこで神奈川県の桐蔭学園高と対戦した際に、同校監督で桐蔭横浜大学の八城修総監督から声をかけられた。「そこでセレクションに呼ばれたという感じです。サッカーを辞めようと思っていたので、本当に一転しました」。

 和気あいあいとしたチームの雰囲気も合っていた。プレーヤーとしては大学3年生で迎えた昨季シーズンに一気に頭角を現すと、関東1部リーグ戦で20試合に出場。6得点を決める活躍をみせると、オフにはいわきFCのキャンプにも参加した。

 高卒時点では考えもしなかったプロ入りが実現しようとしている。「大学に入るまではあまり期待されてこなかったので、期待されると嬉しい。今はその期待に応えたい思いが強いです」。

 人生を変えてくれた桐蔭横浜大の八城総監督や安武亨監督には感謝の言葉が見つからない様子の渡邊だが、もっと大きな結果を残すことで恩返しを示すつもりでいる。「去年も自分が決めていればというところが多かった。もう悔しい思いはしたくないので、練習して練習して、自分は努力の人間なので、頑張っていきたいです」。まずは本大会への出場が決まったデンソーカップチャレンジで、実力が今年の大学屈指であることを証明する。

(取材・文 児玉幸洋)

●第38回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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