beacon

[関東]11年湘南特別指定選手の村岡Vヘッド!神奈川大が慶應義塾大撃破

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.14 関東大学1部L第2節 慶應義塾大1-2神奈川大 西が丘]

 JR東日本カップ2012 第86回関東大学サッカーリーグ戦1部リーグは14日、第2節1日目の4試合を行い、慶應義塾大対神奈川大戦は昨年の湘南ベルマーレ特別指定選手であるFW村岡拓哉(4年=日本大学高)の決勝ゴールによって神大が2-1で勝利。今季初白星を挙げた。一方、昨年3位の慶大は連敗スタートとなっている。

 計6枚のイエローカードを受けながらも神大が1点リードを死守した。村岡とFW廣川一樹(4年=麻布大淵野辺高)を2トップに配置した4-4-2システムの神大は前半16分、右サイドを崩し、最後はMF越水将一(4年=秦野総合高)のアシストからフリーでファーサイドへ回り込んだMF中武駿介主将(4年=仙台FC)が左足で先制ゴールを右隅へと流し込む。雨の中、忠実にセカンドボールを拾い、慶大の勢いを消していた神大が試合の流れそのままに先制ゴールを奪った。

 対して主将のMF藤田息吹(4年=藤枝東高)不在の慶大は、トップ下に位置するU-19日本代表候補の1年生FW近藤貫太(愛媛ユース)中心に反撃する。ディフェンスラインでボールを回し、アクションをかけた前線へ縦パスを配球。22分にはMF山浦公裕(4年=F東京U-18)がダイレクトで出したスルーパスに反応した近藤が、PAわずか外側の位置でGKに倒されてFKを獲得する。これを山浦が右足で狙うと神大DFが手で止めてしまい、PKのチャンスを得た。だが、山浦の右足PKは神大GK松田ラン(3年=山梨学院高)が右へ跳んでストップ。慶大は絶好の同点機を逸してしまう。

 それでも慶大は31分、注目ルーキーのゴールで同点に追いついた。前線からプレッシャーをかけた近藤がGKのキックをチャージ。真上へ上がったセカンドボールを頭でゴールへ押し込むと、ジャンプしながら右手を振り上げて初得点を喜んだ。慶大はこの後、サイドから得点機を連発。33分には近藤が中央から右サイドへ叩き、オーバーラップしたSB岩田修平(3年=名古屋U18)のクロスをニアサイドのFW赤木努(4年=大宮ユース)が決定的な形で合わせる。だがこの一撃はゴールを捉えず。神大も右SB長野祐太(2年=川崎F U-18)の右足FKがゴールを襲ったが、慶大GK峯達也(2年=桐光学園高)の冷静な対応によって勝ち越すことができなかった。

 慶大は後半開始から開幕戦FK弾の赤木に代え、昨年前期7戦6発の衝撃デビュー後に負った怪我からの完全復活を目指すFW武藤嘉紀(2年=F東京U-18)を投入。神大も越水に代えてMF星広太(2年=横浜FMユース)をピッチへ送り出す。互いが攻撃カードを切って勝負に出た後半、リードを奪ったのは神大だった。後半4分、中央の廣川が右サイドを駆け上がった長野の前方へスルーパスを送ると、ゴールライン際で追いついた長野がクロス。ニアサイドで潰れ役となった星の後方から飛び込んだ村岡が、185cmの長身を活かして頭でゴールへと叩き込んだ。

 開幕戦では先に迎えたチャンスを活かせず、前半16分までの2失点で失速。0-4で敗れた神大だが、この日は決定機を確実にものにして優位に試合を進める。高さとスピードが魅力の村岡が前線でチャンスに絡み、左サイドからはSB高木利弥(2年=帝京高)が馬力ある突破からPAへ迫ってくる。意識して取り組んでいるという連動した崩しでも効果を見せた。

 一方の慶大はスピードが武器のFW森田達見(4年=川崎F U-18)とボールコントロールに長けたMF端山豪(1年=東京Vユース)を相次いで投入する。森田のドリブルをアクセントに押し返すと、29分には右サイドでこぼれ球を拾った森田のクロスから武藤が決定的なヘディングシュート。だがGK松田の好守にあい得点できず。ファウルの数こそ多かったが、ボール際で厳しい神大は集中力が高く、慶大アタッカー陣に前を向かせない。そして攻め急ぐ慶大の攻撃を最後まで確実に跳ね返した神大が雨中の熱戦を制した。

 個々の実績ではライバルたちに劣る神大だが、メンバーの半数以上を占める地元・神奈川出身者中心にまとまり、高峯弘樹監督体制初勝利。村岡は「毎年みんなあきらめずに頑張っている。神大らしさを大事にしていきたい。まだ調子がいい訳ではないので気を抜かず、このまま連勝して勢いに乗っていきたい」。目標の全日本大学選手権(インカレ)出場へ向け、この勝利で序盤戦勢いに乗る。

[写真]後半4分、神奈川大FW村岡が決勝点となるヘディングシュート

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第86回関東大学リーグ特集ページ

TOP