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[関東]復権目指す名門・早稲田大が「相手の嫌がること」徹底して連勝発進

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[4.14 関東大学1部L第2節 早稲田大3-0順天堂大 西が丘]

 早稲田大が連勝発進! JR東日本カップ2012 第86回関東大学サッカーリーグ戦1部第2節、早稲田大対順天堂大戦は早大がFW富山貴光(4年=矢板中央高)の先制FKなど3-0で快勝。2連勝で暫定首位に立った。

「相手の嫌がること」を徹底する早大が順大に快勝した。10年アジア大会金メダリストのFW富山と好調なFW榎本大稀(3年=横浜FMユース)の2トップ、初戦2得点のMF島田譲(4年=鹿島ユース)とMF野村良平(4年=流通経済大柏高)のダブルボランチで試合に臨んだ早大は、立ち上がりから相手ディフェンスラインの背後へ繰り返しボールを運んで圧力をかけていく。そして23分、ゴール正面左寄りの位置でFKを獲得すると、キッカーの富山が右足を一閃。壁を右外側から巻いた一撃がゴール右隅へ吸い込まれた。さらに30分にはMF近藤洋史(2年=名古屋U18)の右足シュートのこぼれ球を左サイドから詰めたSB三竿雄斗(3年=東京Vユース)が右足でゴールへ押し込んで2-0へと突き放す。

 1年生MF長谷川竜也(静岡学園高)をトップ下に天野純(3年=横浜FMユース)、斎藤拓也(3年=四日市中央工高)、和田直己(3年=静岡学園高)を3トップに配置した順大は、局面に人数をかけて細かいパスワークで打開を図る。天野が左足ミドルへ持ち込み、後半はMF栗本広輝(4年=清水商高)の安定したボール運びから交代出場のFW岡庭和輝(3年=千葉U-18)らがゴールへ迫った。だが、鋭いスライディングタックルで危険を回避したCB山地翔(4年=浦和ユース)と対人で強さを発揮するCB畑尾大翔主将(4年=F東京U-18)、声でチームを引き締めるSB菅井順平(4年=浦和ユース)ら早大ディフェンス陣は全く隙を与えない(公式記録上は被シュート1本)。前節2点リードを追いつかれた流通経済大戦(3-2で勝利)の反省を活かして完封勝利。攻めては後半27分に野村が右サイドからGKの頭上を射抜く技ありの右足シュートを決めて3-0で快勝した。

 早大は昨年、前期を首位ターンしながら後半失速すると4位の筑波大に勝ち点1届かず5位。あと一歩のところで全日本大学選手権出場を逃した。畑尾は「昨年は1点取る、取られるのところで涙した。1点の重み、関東リーグの厳しさはみんな理解している。我慢強く守って最少得点でも勝つことを意識している」と語る。この日もチームは前線から献身的なチェック。少しでも距離を詰めて相手の攻撃を乱し、ボールを奪えば、深さと速さを意識した攻撃で相手ディフェンスラインを何度も背走させた。エースの富山でも誰がピッチに立ってもまずは相手の背後を狙い「相手の嫌がることをやる」(富山)ことを貫いている。

 チームとして、個人としてどん欲にトレーニングを積んできた。畑尾が「チームの中で何でファーストを取るかテーマを掲げた」と説明したように、イレブンは「安定感」「ボール奪取」「空中戦」など選手それぞれが自分のストロングポイントでチーム内、関東、全国で1番になることを宣言。富山は「自分に限界をつくらないことをテーマにやってきた」と語っていたが、全員が強い向上心を持って毎日を過ごしている。大学日本一に輝いた07年度を最後にインカレ出場なし。2部降格の危機も味わってきた名門は結果にこだわり、今年こそ復活する。

[写真]勝利を喜ぶ早稲田大イレブン
(取材・文 吉田太郎)
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