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大宮と提携の東洋大、初の1部へ2部首位キープ:関東

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第86回関東大学サッカーリーグ戦
関東2部リーグ

[5.12 関東大学リーグ2部第7節 東洋大0-0拓殖大 夢の島]

 JR東日本カップ2012 第86回関東大学サッカーリーグ戦2部リーグは12日、第7節1日目を行い、5連勝で首位の東洋大は6位・拓殖大と対戦し、0-0で引き分け。勝ち点1を加えて首位をキープした。

 07年から大宮アルディージャと提携している東洋大が初の1部昇格へ向けて首位に立っている。今季、コンサドーレ札幌、モンテディオ山形で活躍した古川毅監督が就任した東洋大は開幕戦こそ桐蔭横浜大に0-2で敗れたが、その後は5連勝で首位へ浮上。この日は勝ちきることこそできなかったものの、攻守のバランスを最後まで崩さずに勝ち点1をものにした。

 東洋大、拓大ともにポゼッションを取ってリズムを作ろうとしていた立ち上がり。CB市川恵多(4年=前橋商高)の絶妙な左足キックと高いキープ力で前進するMF石川俊輝(3年=大宮ユース)ら個の特長も活かしながら攻める東洋大は、徐々に流れを引き寄せると前半終了間際にはMF年森勝哉(3年=F東京U-18)とのワンツーからMF黒須大輔(3年=習志野高)がラストパス。後半22分には右スローインから細かくボールをつないで相手のマークを完全に外すと最後はMF桑田直徹(3年=大宮ユース)からのパスを受けたFW三田尚央(3年=F東京U-18)がクロスバー直撃の右足シュートを放った。

 この後も30分、32分に桑田が決定機を迎えるなど試合を決めるチャンスを作り出していた東洋大。ただ拓大GK大坪倫之(3年=東京Vユース)の好守に阻まれて得点を奪うことができない。後半ロスタイムには黒須のスルーパスから右SB馬渡和彰(3年=市立船橋高)がPAへ飛び込んだが、ゴールラインを割ることができず。一方の拓大はMF菅能将也(2年=桐光学園高)が自陣で再三インターセプトして危険を回避すると、加藤幹(3年=中央学院高)と木野大輔(3年=厚木北高)の両翼のドリブルから反撃するなど対抗。後半はシュートゼロに終わったものの、球際での厳しい寄せやカウンターからビッグチャンスをつくるなど勝ち点1を掴んだ。

 東洋大の古川監督は「(1部へ)上がれる数は限られている。2部をいかに勝ちきれるか。きょうの引き分けは悪くないが、それが続いてしまうといけない。この次の試合が大事になる」。古川監督、磯山和司コーチと大宮から派遣されているプロの指導者の下、練習に励んでいる東洋大。プロの指導者による、高いレベルの指導に憧れて、Jクラブユースを中心に強豪チームから選手たちが集まってきている。実際にプロを志す選手が多く、その将来への可能性を広げるためにも、スカウトなどより多くの関係者の目に留まる可能性が高い1部昇格は絶対ノルマ。この日は荒れたピッチでの試合に馴染むことにやや時間がかかったがこのような経験を一つひとつ選手はフィードバックされながら経験を蓄積していっている。関東A選抜の守護神、松下理貴(4年=柏U-18)らタレントも1部と比較しても見劣りはしない。関東2部挑戦5年目ながらも2部上位に定着しているチームは今季、このまま結果を残し続けて悲願の1部昇格を果たすことができるか。

[写真]東洋大が2人がかりで拓殖大の突破を阻む
(取材・文 吉田太郎)
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