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日本戦前日、オーストラリア代表の公式会見要旨

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 12日のW杯アジア最終予選で日本代表と対戦するオーストラリア代表は11日、試合会場のブリスベンスタジアムで公式会見を行い、ホルガー・オジェック監督とDFルーカス・ニールが出席した。

以下、公式会見要旨

●ホルガー・オジェック監督
「(日本語で)こんにちは。オーストラリアへようこそ。多数の報道陣の方々が日本から来てくれたことに感謝しています。明日は両チームにとって大事な試合になるとお互いに認識しており、ブラジルW杯に向けて重要な意味を持つことも実感している。グループ内でもトップ2を争うチームの対戦ということで注目も高まっていると思う」

―選手のコンディションは?
「今のところ脱落者はいない。全員が朝食に顔を出し、食欲も旺盛だった」

―オーストラリアの強みは?
「どこにアドバンテージがあるかは分からないが、私はオーストラリアの選手の実力に自信を持っている。チームワークも素晴らしく、攻撃的で積極的な試合をすることに誇りを持っている」

―日本はすでに連勝しているが?
「日本が2度のホームゲームに勝利し、自信を付けているのは認めるが、さらにオーストラリアが勝利をプレゼントすることはない。日本の実力は認めるが、太刀打ちするだけの実力をオーストラリアも持ち合わせている」

―オマーン戦からメンバーの変更は?
「メンバーは頭の中にあるが、午後の練習を見て、何人か入れ替える可能性はある」

―だれを入れ替える?
「特にだれを入れ替えるかは考えてない。あくまで午後の調整の感じを見てからだ」

―オジェック監督の日本サッカーへの知識は、ザッケローニ監督のオーストラリアへの知識より多いのでは?
「そのことが必ずしも試合の明暗を分けるわけではない。知識や理論を持っていることと、それをピッチの上で実践に移すことは別だ。例えば妻とゴルフに行ったとき、妻の方がゴルフの知識は豊富だったが、それをうまく実践に移すことができなかった(笑)」

―現在の日本代表は史上最高のチームだと思うか?
「20年近く日本サッカーにかかわってきたが、素晴らしく成長していると思う。このチームは新しい世代のチームなのではないかと思う。私が経験してきた古い世代とは違った、新しい考え方、姿勢を持っている。新しいやり方や考え方にオープンな姿勢を持ち、そこに飛び込んでいく勇気を持っている。多くの選手が海外のトップリーグでプレーしていることから分かるように、選手の質は非常に高くなっている」

―日本の長所、弱点はどこにあると思うか?
「日本は機動力に優れたチームで、選手一人ひとりのテクニックが高く、それを補うチームワークもある。日本の弱点は…どこがハッキリした弱点なのか確定できてない(笑)」

―最終予選のスケジュールをどう思うか?
「日程面が日本チームの味方をしていると感じざるを得ないのは確かだ。ホームゲームに2勝して、すでに勝ち点6を手にしている。それは日本に有利に働く要素だが、あくまで理論的な話であって、実際の試合の戦略には影響しない。すべての人に公平なスケジュールをつくることは不可能だということは受け入れたうえでやっていかなければならない」

●DFルーカス・ニール
―オーストラリアが勝つには本田と遠藤を止める必要があると思うが?
「サッカーは11人全員がプレーするチームスポーツ。2人の選手を止めるだけでは十分ではない。2人の素晴らしい選手をリスペクトしているが、日本にはたくさんの優秀な選手がいる。一人ひとりを迎え撃つのではなく、チーム全体をチームとして迎え撃つ必要がある」

―ここまでの最終予選をどう見ている?
「ホームゲームは大事だ。毎試合、勝ち点3を取ろうと思ってプレーしている。日本はここまで十分な準備をしてきたと思う。2度のホームゲームに2勝して自信を付け、オーストラリアよりも先にブリスベンに入って調整している。今回の試合に関しては日本の方が有利だという意見もあるが、その意見を覆すことができると信じている。明日の試合はタフなゲームになると思うが、ファンタスティックな試合になると確信しているし、我々の勝利を信じている。サッカーでは何が起こるか分からない。日本には負けても失うものがない。彼らはすでに勝ち点6を取っている」

―最新のFIFAランキングでオーストラリアは日本に逆転されたが?
「ランキングはオーストラリアより日本の方が上だが、ランキングが20位とか10位とかは関係ない。ピッチの上でどんなプレーをするかが大事だ。日本にはアジア杯では負けたが、それにとらわれず、明日の試合に臨みたい。勝負を付けるのは紙の上ではなく、あくまでピッチの上だと思っている」

―現在のオーストラリア代表はどんなチームか?
「経験、年齢は選手それぞれだが、代表になるには実力がどれほどかが大事になる。クラブで活躍していれば、だれもがオーストラリア代表に選ばれる権利がある」

―過去の日本戦で印象に残っている試合は?
「日本とは何度も対戦してきたが、(06年のドイツW杯で)0-1の84分からオーストラリアが3点を取って逆転したドラマがあった。あのような奇跡的な瞬間を体験できたことを誇りに思っているし、あのような奇跡の瞬間をまた体験したくて、今もサッカーを続けていると言ってもいい。明日は2つの強豪チームが対戦するということで緊張感も高まっている」

―アジア杯決勝のリベンジを狙うか?
「日本戦には良い思い出もあれば、悪い思い出もある。確かにあのときの敗戦の感触は今も覚えている。負けた原因がなんだったのか。疲労なのか、集中力が途切れていたのかは分からない。そのことが明日のモチベーションになるのは間違いない。ただ、何よりも大事なのは、明日の試合で日本に勝つことではなく、ブラジルW杯に向けて最終予選を突破することだ。明日の試合の明暗を分けるのは先制点になる」

(取材・文 西山紘平)

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