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ロシア・トルコ情勢がサッカー界にも大きく影響 選手獲得禁止・キャンプ中止など…

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 トルコとロシア両国間の緊張関係の高まりは、サッカー界にも様々な影響を及ぼしている。当事者である2か国だけでなく、その影響は欧州サッカー全体に波及することになるかもしれない。

 先月24日に起きたトルコ軍によるロシア軍機撃墜を受け、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はトルコに事実上の経済制裁を科す大統領令に署名。その一環として、ロシアのクラブがトルコ人選手を新たに獲得することを禁じる通達も出された。

 影響はそれだけにとどまらない。今月9日にはチャンピオンズリーグでゲント対ゼニト・サンクトペテルブルクの試合が予定されているが、ゲント市長はゼニトサポーターに対してこのアウェーゲームへの入場を禁止する決断を下した。

 ベルギーには約20万人のトルコ人やトルコ系住民が居住しており、ゲント周辺は特にその数が多い地域だという。混乱を避けるための措置となったが、ロシアのスポーツ大臣ヴィタリー・ムトコ氏はこの決定に不満を表し、ロシア『タス通信』に次のように語っている。

「もちろん、普通の措置ではない。UEFAとFIFAの規定により、チケットの10%はアウェーサポーターに割り当てられなければならない。地元当局が安全を保証できないのであれば、試合は別のスタジアムで開催されるべきだ。私はUEFAにそう提案した」

 トルコのアンタルヤなどはキャンプ地として欧州各国などから多くのチームが集まることで知られ、ロシアの複数クラブもリーグのウインターブレーク中にキャンプを予定していたが、スパルタク・モスクワやロコモティフ・モスクワなどすべてのチームがすでにトルコ行きをキャンセルした。

 ロシアのクラブだけでなく、セルビアの強豪パルチザンとレッドスターなどもトルコでの冬季キャンプを中止。一方、同じく1月にトルコでのキャンプを予定しているアヤックスはGoalオランダ版の取材に対し、現時点では中止はしないとしながらも、状況を注視すると述べている。

 今月12日にはEURO2016組み合わせ抽選会が予定され、ともに本大会進出を果たしているロシアとトルコは対戦の可能性もあるが、現時点で対戦を避けるなどの措置は発表されていない。両国のチームが決勝トーナメントで激突する可能性があるヨーロッパリーグに関しても同様だ。
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