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ロペテギ、スペイン代表解任からレアル指揮官就任で「昨日は母の死以降最低の日で今日は最高の日」

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レアル・マドリー監督に就任したフレン・ロペテギ

 レアル・マドリーは14日、フレン・ロペテギ監督の就任会見を開いた。

 レアル・マドリーは先日、ジネディーヌ・ジダンの後任として来シーズンからロペテギ監督が指揮を執ることを発表。しかし、ロペテギは5月にスペイン代表との契約を2020年まで延長したばかりだったため、大きな物議を醸した。

 さらにその直後、スペインサッカー連盟のルイス・マヌエル・ルビアレス会長は「我々が知ったのは発表の5分前だった」と怒りを示し、解任を発表。ロシアW杯開幕前日のことだった。なお、後任にはフェルナンド・イエロ氏が就任している。

 解任を言い渡され、失意のうちにスペインへと戻ったロペテギだが、選手時代はR・マドリーのBチームとトップチームに在籍。現役引退後にも、同クラブで選手のスカウティングや下部組織の監督などを務めていただけに、就任会見では喜びを露わにしている。

 この就任会見ではまずロペテギ監督の現役時代などの映像が流され、その後にフロレンティーノ・ペレス会長がスピーチ。そうして登壇したロペテギ監督は、途中で感動で声を震わせながら、言葉を紡ぐ。

「あまり感動をしないように気をつけたい。実際、感動するための日にほかならないんだ。言いたいことを言わせてもらうよ。私を信頼で包んでくれて、ありがとう会長、ありがとうレアル・マドリー。誇りと強い気持ちでもって、この責任を引き受ける」

「最大限の要求を課すクラブにやって来たことは分かっているよ。やるべき仕事はたくさんある。だが、私はこの大きなサイズの挑戦に臨めると感じているんだ。マドリーが持つ力強さとエネルギーは、クラブに加わった瞬間からかみしめている。それらをクラブが成長し続けるため、大切な財産である選手たちを管理していくために使っていけるのだと確信している。私たちはすべてを勝ち取ることを求めている」

「昨日はおそらく、私の母が亡くなって以降の人生において、最も悲しい日だった。だが、今日は人生の最高の日だ。もう一度、全員に対する感謝を繰り返したい。私はマドリー家族の一員だ。本当にありがとう。私は皆の求めることに応じて行く覚悟だ」

 ロペテギ監督はこのスピーチの後に、記者たちの質問に応じたが、やはりスペイン代表監督を解任されたことについての質問が集中。新R・マドリー監督は、ルビアレス会長から解任されるに至った経緯について、次のように述べている。

「手短に話させてもらう。そこにあったのは真実と忠実だ。それを知っておくべきだったのは、彼(ルビアレス会長)であるはずだ。スペイン代表でも、私は祝福されていたんだよ。(マドリー監督就任が発表された日に)会見を行うはずだったが、ルビアレスが不在で、彼から待ってくれと言われた。ワールドカップ初戦からできるだけ離れた日に行うことを望んでいたものの、もちろん彼は会見にいるべきだった。私は(R・マドリーと)W杯前に合意したかったし、開幕以降になることは望んでいなかった」

「そして次の日、あのようなことが起こった。その期間に一体何があったのか、自分には分からない。私は誠実かつ透明性を確保し、何かを隠すことを望んでいなかった。それは悪どいことであり、望まなかったんだ。私の選手たちは(R・マドリー監督就任を)知っていたし、それを快く受け入れてくれた。彼らは本当に素晴らしいグループで、受難を乗り越えてくれたんだよ。代表監督としての4年間で、4人がRFEFの会長を務めたが、私たちは力強くあった。その力強さによって、彼らは世界王者になれる」

レアル・マドリーのロペテギ監督就任発表のタイミングが適切ではなかったとの意見もあるが、ロペテギ監督は「透明性」を確保するためだったことを強調する。

「代表監督が一クラブの次期監督になるというのは、多くの前例があることだ。私たちは透明性の確保に努めたんだよ。R・マドリーでも代表チームでも祝福のムードはあった。その後に起こったことについては、自分には分かりかねる。私は自分が抱える責任に忠実でありたい。それはR・マドリーで学んだことだ。スペイン代表については、スペイン人の一人として応援していきたい」

 また、今回の解任劇が「屈辱的」なことであったかとの問いには、こう返した。

「屈辱的ではない。屈辱は誰かがそれを味わわせようとしているかに依存することではない。そうではなく、自分がどう受け入れるかだ。馬鹿げたこと含め、興味深い物言いもされていたが、私は誠実であろうとしたんだよ。私たちはプロフェッショナルで、誠実で、はっきりしていた。選手たちは私のニュースを聞いた後、この一週間で最も素晴らしい形で練習に取り組んだ。問題など何もなかった」

 ロペテギ監督は、スペイン代表の選手たちとの間に亀裂がなかったことを主張している。

「しかし、じつにシュールな日だった。その中でもすばらしかったのは、選手たちが示してくれた経緯と愛情だ。それはプレゼントされるものではなく、私たちコーチ陣が勝ち取ったものだ」

ルビアレス会長は「ジュレンには違った形で物事を進めてほしかった」と発言していたが、そのことについて意見を求められたロペテギ監督は「ルビアレスには違った形で物事を進めてほしかった」と返答。また契約内容に対する不満からR・マドリー退団が噂されるFWクリスティアーノ・ロナウドについては、残留することを願った。

「彼は常に私のそばにいてほしい選手だ。世界最高の選手はレアル・マドリーにいる。そのことに疑いの余地はない」

 この会見では、ロペテギ監督及びクラブの関係者が大勢出席していたが、ロペテギ監督が今回の解任劇に対して、自身の振る舞いの正当性を主張する度に大きな拍手が起こっていた。

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