beacon

浅野拓磨の契約解除を「不思議がるべきではない」…パルチザンOBが古巣クラブを痛烈批判

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW浅野拓磨

 パルチザンと契約を解除したFW浅野拓磨の行動について、クラブのレジェンドであるイバン・ゴラッチ氏が言及。セルビア『Sputnik』で古巣クラブを批判した。

 浅野は2日に自身のInstagramを更新。「度重なる給与の未払い、またそれに対する不誠実な対応」を理由とし、パルチザンと契約を解除したことを発表している。それに対し、パルチザンは事実無根であるとし、契約違反で訴える構えを見せた。

 事態は泥沼化しつつある中、元チームメイトとなったパルチザンGKブラディミル・ストイコビッチなどが浅野の契約解除を強く非難。一方で、セルビアのサッカー界ではクラブ側の対応に疑問の声も。現役時代は1968~78年パルチザンで過ごし、サウサンプトンなどで活躍した現在70歳のゴラッチ氏は次のような見解を述べている。

「(契約を解除した)理由が記されたとおりで、給与が支払われず、家賃を自腹で払っていたのなら、ごもっともな理由となり、日本人の男が荷物をまとめて、振り向かずに去ったことを誰もが不思議がるべきではない。クラブが彼をではなく、彼がクラブを融資していたことになるのだからね」

「様々なことが起こっており、私はこのようなことがどんどん増えていくことを心配しているよ。選手に給与を支払って、生き残るクラブがどんどん減っていくだろう。すべてをコントロールする堅実な組織が必要だ。クラブがコンペティションに参加するにあたって、選手や従業員たちにサラリーを支払う資金を確保できないのなら、そのための明確なルールがあればいい」

 ゴラッチ氏は、2012年に破産のため、スコットランド4部から再スタートすることになったレンジャーズを例に挙げ、「クオリティは関係がない。コンペティションの規則正しさが大事なんだよ」と強調。また、パルチザンのサポーターたちの心境にも触れた。

「ファンたちは何年間も嘘を聞かされ続け、パルチザンがタイトルからほど遠いことにうんざりしていると思うよ。ここ4年はレッド・スター(ツルベナ・ズベズダ)の背中を見つめているが、良いものを成し遂げるためにはどう仕事するのか知らなければいけない。フムスカ(本拠地が面する通り)では言葉が発されず、マネジメントとファンの間のコンタクトもない。まったく何も聞こえないんだ」

「健全で筋が通った、普通な形で、一体何が起こって、何故アサノが去ったのか、クラブが説明しなければならない。ファンがどう反応するのか私には分からないが、特にセルビアカップのファイナルに負けた場合、おそらくリアクションはあるだろう。タイトルはもう終わった話だが、シーズンを救うカップはまだ残っている。ズベズダがそれも勝てば、良いことは期待できないね」

 また、同氏はパルチザンの幹部についてもコメント。「より良い明日を迎えるために変化が必要だと思うが、それと同時にその方たち(ミロラド・ブゼリッチ会長など)が自ら動き出すとは思えない」と指摘すると、このようにも語っている。

「パルチザンはかつてもっとも多くの選手たちを国外に送り出し、ユーゴスラビアのサッカーの一時代を築き、数十年間もの間、ユーゴスラビアのサッカーの素晴らしさを広めた偉大で、堅実なクラブだった。だが、今はどうなのか見ると良い。選手がフムスカから逃げ出している」

「パルチザンで起こっていることは悲劇でしかない」

●海外組ガイド
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP