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バルセロナ会長、負債額が約1700億円にのぼることを公表「状況は悲劇的。しかしソシオ制から株式会社にはならない」

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バルセロナのジョアン・ラポルタ会長

 バルセロナのジョアン・ラポルタ会長が16日に会見を開き、クラブの財政状況について説明した。

 ラポルタ会長はまず「クラブの状況は悲劇的だ。負債は13億5000万ユーロ(約1700億円)」にのぼると公表。その内訳は銀行への債務で6億1700万ユーロ、選手たちへの給与未払い分で3億8900万ユーロ、スタジアム改修計画の費用で5600万ユーロ、訴訟経費で9000万ユーロ、回収不可能なチケット収入分で4000万ユーロ、テレビ放映権収入分で7900万ユーロとのことだ。

 そして、ラ・リーガのサラリーキャップ制によって総収入の70%に抑えなくてはならないトップチームの人件費については、「6億1700万ユーロとなっており、クラブの総収入から考えれば103%の比率になっている」と説明。そして昨季3月に退陣したバルセロナの前理事会については、疑わしきオペレーションがいくつもあったことを指摘している。

「代理人ではない仲介者に手数料が支払われており、私たちは不適切なことだったと捉えている。そうしたことがクラブの財政状況をおかしくした。例えば、4000万ユーロの選手獲得に800万ユーロが支払われ、さらに南米でスカウトをしている一人の人間にも800万ユーロが支払われていた」

 バルセロナはこうした負債によって、非営利組織に近いソシオ制度からSAD(スポーツ株式会社)化する必要も問われている。が、ラポルタ会長はその可能性を一蹴した。

「すべて悲劇的だが、私たちは良いニュースも手にしている。私たちの信頼性、経験に基づいた戦略プランが存在しているんだ。私たちは(ゴールドマンサックスから)1.9%の利子で債務を再構築する5億6000万ユーロの融資を取り付けたばかりで、バルサ・ストゥディオ(バルセロナのオーディオビジュアルに関するプロジェクト)でも17の出資者が興味を持っている。メインスポンサーも5社からオファーを受けているよ。チームが自分たちの価値を示すべくモチベーションを持っているが、私たち幹部陣も同じだ」

「バルサの持ち主はソシオたちでなければならない。このクラブは、いつだってソシオたちのものだ」

 また、すでにDFジェラール・ピケが了承した選手たちに減俸については、次のように語った。

「選手たちには固定給とボーナスがあり、それらすべてを合理化していく。ピケの件については、何人かの選手たちの登録をするためで、実際にそうすることができた。他選手については、支払いの遅延やボーナスの削減についてを話し合っている。考えとしては、チームの全選手の給与体系を再構築したい」

 選手たちの売却についてはどうなのだろうか。ロナルド・クーマン監督はMFミラレム・ピャニッチやDFサムエル・ウムティティを招集メンバー外としている。

「それはスポーツ的な決定であり、しかし様々な解釈もされることだろうね。もし、私たちが売却をするならば、人目に触れるためにプレーさせた方がいいだろう。単純にスポーツ面の決定というだけだ」

「人件費を2億ユーロ減らすという目標は、変化をつけながら達成されていく。私たちはラ・マシア(下部組織)に賭けていくし、そうできれば望むようなモデルを実現できる。市場価値の高さから選手を売却することは考えていない。スポーツ面のプランに当てはまらない選手であるという以外はね」

 クーマン監督は先にストライカー獲得の必要性を説いていたが、実現は可能なのだろうか。

「(ラ・リーガのサラリーキャップ制では)1対4の規則がある。つまり1億ユーロの余裕をつくれば、2500万ユーロを使えるということだ。クーマンはチームのモチベーションに満足感を得ながら、どの選手を戦力に数え、どの選手がそうではないかを見ている。市場は8月31日まで開いており、CVCからの資金調達により各クラブの人件費は増えた……。誰かを加えるためには、誰かが去らなければならない」

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