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勝負に徹するブラジル、マイコン「勝ったことがすべて」

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[6.15 W杯グループリーグG組 ブラジル2-1北朝鮮 エリスパーク]

 W杯初戦。5バックの守備的布陣。さらには気温3度という凍えるような寒さ。さまざまな要素がカナリア軍団を苦しめたが、最後はきっちり勝ち点3をつかむあたりが、ブラジルのブラジルたるゆえんでもある。

 「死の組」と言われるG組の中でも、ある意味で北朝鮮は最もやりにくい相手だった。MFジウベルト・シウバ、MFフェリペ・メロという守備能力の高いダブルボランチを並べ、攻撃陣はMFカカをトップ下に置いたFWルイス・ファビアーノの1トップ。組織的な守備からの速攻を最大の武器とする今回のブラジル代表にとって、守備を固める北朝鮮を攻めあぐねる展開はある程度予想されたことだった。

 重苦しい雰囲気を振り払ったのは「世界最高の右サイドバック」の呼び声高いDFマイコンの技ありゴールだった。後半10分、MFエラーノからのスルーパスを受け、PA内右サイド深くまで進入。クロスに対応しようと前に飛び出したGKの動きの逆を突き、角度のない位置から右足で左のサイドネットに流し込んだ。

 「今日の試合は難しかった。気温も低く、厳しい試合だった。W杯の初戦は難しい。しかし、勝ったことがすべてだ」とマイコンは胸を張った。母国では「守備的で退屈」と批判されることもあるドゥンガ監督だが、強固な守備と、その勝負強さは近年でも最強と言われる。セレソンの誇りを胸に、勝負に徹するカナリア軍団。北朝鮮という“難敵”を破り、優勝候補筆頭とも目される、その実力の片りんを見せた。

(取材・文 西山紘平)

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