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香川が3戦連発12点目で新記録樹立、ドルトムント対シュツットガルトは壮絶ドロー

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 ブンデスリーガは30日、第28節1日目を行い、MF香川真司の所属する首位ドルトムントがホームでFW岡崎慎司、DF酒井高徳の所属する7位シュツットガルトと対戦し、4-4で引き分けた。前半33分に3戦連発となる先制点を決めた香川は今季通算12点目。欧州主要1部リーグでの日本人選手のシーズン最多得点記録を樹立した。岡崎は右膝痛のため3試合連続で欠場。酒井は右SBで8試合連続のフル出場を果たし、首位チームとのアウェーゲームで勝ち点1獲得に貢献した。

 前人未到の記録を打ち立てた。前半33分、DFシュメルツァーの左クロスをMFケールが頭で落としたボールを香川が右足ダイレクトで蹴り込む。3戦連発となる先制点が今季通算12得点目。前節・ケルン戦(6-1)で2得点を挙げ、98-99シーズンにセリエAで10得点を挙げた中田英寿氏(当時・ペルージャ)を上回り、06-07シーズンにブンデスリーガで11得点を記録した高原直泰(当時・フランクフルト)に並んだが、それからわずか1試合で欧州主要1部リーグでの日本人史上最多得点記録を塗り替えた。

 好調ぶりは立ち上がりから全開だった。開始2分、右クロスのセカンドボールを香川がエリア外から右足でミドルシュート。わずかにゴール右に外れると、同5分にも左クロスのこぼれ球をPA内で胸トラップし、右足ボレーで狙ったが、GKの好守に阻まれた。

 シュツットガルトも積極的な試合運びを見せ、首位チーム相手に一歩も引かない。前半9分、酒井が右サイドをオーバーラップ。MFハルニクとのワンツーから駆け上がり、MFハイナルにラストパスを送ったが、GKバイデンフェラーが体を張って防いだ。

 ドルトムントは前半21分、MFギュンドガンの絶妙なスルーパスに抜け出したFWレワンドフスキがGKもかわして左足でシュートを打ったが、DFニーダーマイアーがヘディングでクリア。同24分にはギュンドガンの右クロスからMFグロスクロイツのシュートがクロスバーを直撃した。

 後半30分にはシュツットガルトも決定機を迎えるが、FWイビセビッチとの1対1をGKバイデンフェラーがセーブ。激しい攻防が続く息の付かない展開の中、香川の一発が流れをドルトムントに引き寄せた。

 1-0で前半を折り返したドルトムントは後半立ち上がりに追加点を奪う。後半4分、左サイドからDFフンメルスが上げたクロスボールを逆サイドから走り込んだMFブラスチコフスキがワントラップから右足で流し込み、2-0とリードを広げた。

 しかし、2連勝中で5試合負けのない(4勝1分)シュツットガルトも驚異的な粘りを見せる。後半15分、酒井が攻撃参加からクロスまで持ち込み、同19分にはMFクビストの右足ミドルが左ポストを直撃。すると同26分、途中出場のMFゲントナーが左サイドから上げたボールをMFクズマノビッチが落とし、イビセビッチが右足で叩き込んだ。

 1-2と1点差に追い上げると、流れは一変。シュツットガルトが猛攻を見せ、後半32分、酒井のロングフィードをイビセビッチが競り合い、こぼれ球を拾ったMFシーバーがDF2人を振り切ってゴール前まで持ち込むと、GKもかわして同点ゴールを奪った。さらに同34分、中盤でボールを奪ったクズマノビッチのスルーパスからシーバーが勝ち越し弾。9分間で3ゴールを奪い、3-2と試合をひっくり返した。

 今季初の3失点で逆転を許したドルトムントは後半36分、香川に代えてFWバリオスを投入する。すると直後の37分、フンメルスがPA外から豪快な右足ミドルを叩き込み、3-3。そして後半42分、シュメルツァーの右CKから途中出場のMFペリシッチが右足ダイレクトボレーをゴールネットに突き刺し、ドルトムントが再逆転に成功した。

 これで勝負あったかと思われたが、シュツットガルトは後半ロスタイムにゲントナーが劇的な同点弾。壮絶な打ち合いは4-4でタイムアップの笛が鳴り、勝ち点1を分け合った。ドルトムント、シュツットガルトともに連勝は2で止まったが、ドルトムントは連続無敗記録を22試合(17勝5分)に更新。シュツットガルトも6戦負けなし(4勝2分)とし、来季のEL出場権獲得へ価値ある勝ち点1を手にした。


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