[7.8 ブラジルW杯準決勝 ブラジル(日本時間9日5:00)ドイツ ベロオリゾンテ]

　開催国ブラジルに衝撃が走った。南米対決となった準々決勝。DFチアゴ・シウバとDFダビド・ルイスという両センターバックのゴールでコロンビアを2-1で下し、3大会ぶりに「ベスト8の壁」を突破したサッカー王国だったが、同時にFWネイマールの負傷という悲劇に見舞われた。

　背中にDFファン・スニガの膝蹴りを受けたネイマールは腰椎を骨折する重傷を負い、代表チームからの離脱が決まった。エースの負傷離脱というショッキングなニュースは世界中を駆けめぐり、チームにも大きな衝撃を与えた。

　さらにコロンビア戦でイエローカードを受けたチアゴ・シウバが累積警告のため準決勝は出場停止。エースに加え、守備の要でもあるキャプテンの不在という痛すぎるハンデを背負ってドイツを迎えることになる。

　準々決勝でフランスを1-0で下したドイツは、W杯史上初となる4大会連続の4強入りとなった。しかし、最近の2大会はいずれも準決勝で敗れ、3位決定戦に回っている。1990年大会以来の優勝に王手をかけるためには、完全アウェーの状況でホスト国を破らなければならない。

　ドイツは決勝トーナメント1回戦のアルジェリア戦でDFシュコドラン・ムスタフィが今大会絶望となる負傷を負ったが、準々決勝ではDFフィリップ・ラームが代わって右SBでプレー。今大会は中盤での起用が続いていたキャプテンが“本職”に戻ったことで、サイドからの攻撃に推進力が生まれた。

　フランス戦に先発したFWミロスラフ・クローゼはW杯史上最多の通算15ゴールで元ブラジル代表FWのロナウド氏と並んでいる。ブラジル戦でロナウド氏を超える新記録達成なるかにも注目が集まる。

　3大会ぶり史上最多6度目の優勝を狙うブラジルと、6大会ぶり4度目の優勝を狙うドイツだが、W杯での直接対決は2002年の日韓大会決勝以来、史上2度目の対戦だ。12年前はロナウドの2ゴールでブラジルが2-0で勝っている。ドイツからすれば雪辱を期す一戦となる。

　ネイマールの代役にはFWウィリアンかFWベルナルド、チアゴ・シルバの代役にはDFダンテが予想されるが、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督はシステムの変更で対応する可能性も示唆。情報戦は過熱している。いずれにせよ戦力ダウンは免れないが、ネイマールのためにも悲願の自国優勝を飾ろうとチームは一致団結。ドイツとしては、気持ちで負けないことが大事になる。

　2002年8月のパラグアイ戦で敗れたのを最後に、ホームでは42戦不敗を誇るブラジルと、最近16試合負けなし(11勝5分)を継続中のドイツ。FIFAランキングでもブラジルが3位、ドイツが2位(1位のスペインはすでに敗退)。優勝候補同士の対決は、激戦必至だ。

■FIFAランキング
ブラジル 3位
ドイツ 2位

■対戦成績
ブラジル:12勝5分4敗

■テレビ中継
NHK Eテレ

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