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“W杯の隔年開催案”めぐる対立…ともに「カレンダーの問題」主張も賛否分かれる

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 サウジアラビアサッカー協会の提案をきっかけに議論が始まったワールドカップの隔年開催案について、イギリス『BBC』によるとプレミアリーグなどのリーグ組織は「全会一致で反対」の姿勢を示しているようだ。欧州サッカー連盟(UEFA)もすでに同様の立場を表明しており、国際サッカー連盟(FIFA)との対立構図が浮き彫りとなっている。

 FIFAは今月、カタール・ドーハで今後のフットボールカレンダーに関する会議を開催。W杯を2年ごとに開催するという提案について、実現可能性を調査していく方向で合意に至った。かつてプレミアリーグのアーセナルで長年にわたって指揮官を務めたアーセン・ベンゲル氏がこのプロジェクトの宣伝役を担っている。

 こうした動きを受けて、Jリーグを含む各国リーグ組織でつくるワールド・リーグ・フォーラムは今月8日、公式サイトで声明を発表。「ファンやプレーヤーにとって、この大きな大会が持つ歴史的、伝統的な価値を薄める提案に反対する」と反対の立場を表明した。

 その理由としては「サッカー経済に悪影響を及ぼし、すでに過度な負荷があるカレンダーにおいてプレーヤーの福祉が損なわれる」というスケジュール面の問題がある。かねてより指摘されてきた過密日程の問題については、欧州サッカー連盟(UEFA)や各国のリーグ機構からも同様の主張が行われており、FIFAとの対立構図は明白だ。

 ところがFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も8日、公式サイトで声明を発表。「現在の試合カレンダーはわれわれがいくつかの限界に直面していることを示している」とした上で、代表活動による国家間移動が「選手の健康にも大会の健康にも良くない」とスケジュールの問題に言及している。

 W杯が隔年で行われれば、各国リーグカレンダーの見直しは不可避。一方、各国リーグを現状どおり運営しようとすれば、W杯の隔年開催は不可能だ。両者は同じ目的を主張しながらも、解決策には大きなすれ違いが起きている。

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