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[パティークカップ]プレミア参入目指すJFAアカデミー福島、U-19代表FW松本&岡山入りMF幡野ゴールで東北に勝利

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[9.28 パティークカップ 東北0-2JFAアカデミー福島 流経大フットボールフィールド]

 U-18年代の強豪12チームが参加するadidasパティークカップが28日、茨城県龍ケ崎市の流通経済大フットボールフィールドなどで開幕し、高円宮杯プリンスリーグ東北1部優勝のJFAアカデミー福島(福島)と今夏の全国高校総体出場の東北(宮城)との一戦は、U-19日本代表FW松本昌也の先制ゴールとファジアーノ岡山加入内定のMF幡野貴紀のゴールによってJFAアカデミー福島が2-0で勝利した。

 2年生が海外遠征中で国体福島県選抜メンバーも不在だったJFAアカデミー福島だったが、根気強い守りを見せる東北を振りきって白星を挙げた。中田康人監督は「チームとしての目的は一人ひとりが1ランク、2ランク上げていくこと。パティークカップはレベルが高いチームが集まっている。(公式戦のように)あれだけガツガツ来てくれると、アカデミー生にとっても貴重な経験になる」と高校トップレベルの対戦相手と戦うことのできるパティークカップに感謝し、幡野も「強いチームが集まっているのでレベルアップできるいい機会だと思う。いい相手が揃っていると思うので、自分ができることをぶつけて、できなかったところは改善する。この3日間でそれを見つけること、そして勝って終わりたいです」。先週末に13勝1敗で優勝したプリンスリーグ東北1部の日程を終えたばかりのチームは目標とする12月のプレミアリーグ参入戦へ向けた強化大会でまずまずのスタートを切った。

 東北は非常に統率のとれた守備。DF鈴木建、DF菊地将徳らがマークを離さず、ポジションチェンジを繰り返してくる相手に対して声を掛けあいながら対応すると、ボールホルダーに対しては厳しいチェックを繰り返してJFAアカデミー福島になかなか決定機をつくらせなかった。そして運動量豊富なFW水野真椰やMF千葉裕一の飛び出しからチャンスをつくった。

 前半はDF日高拓登のミドルシュートなどで攻めながらも相手の好守の前に無得点に終わったJFAアカデミー福島だが、スペースをつくり出す動きはさすがにハイレベル。U-19代表のAFC U-19選手権メンバー候補である松本や幡野、この日は2トップの一角として出場した注目CB田口翔太郎、MF飯干雄斗らが精度と連動性の高い攻撃で切り崩してくる。前半の課題を修正した後半はバイタルエリアを上手く活用しながら攻めると、ワンタッチのパスを交えて連続ゴール。後半4分に切り返しでマークを外した松本が右足で先制ゴールを叩きこむと、さらに9分にも左サイドを攻略して最後はスルーした選手の後方から走りこんだ幡野が2点目のゴールを奪った。
 
 東北はディフェンスの集中力を切らさず、カウンターから得点を狙い続けたが、PAまで持ち込むことができない。後半19分に松本、40分にはカウンターからDF中山知之に決定的なシュートを放たれながらもGK畑山椋亮の好守で阻むなど健闘の光った東北だったが、攻守で強さを発揮したJFAアカデミー福島の勝利となった。幡野は「相手がマンマークでいい守備をしてきていたのでそこは前半は上手く行かなかったんですけど、後半は話し合って改善することができた。前が流動的に動いて相手のマークをずらして、ゴールへシンプルに動かしていい形で2点決まった。良かったと思います」。

 現在の高校3年生にとって今年は6年間過ごしてきたJFAアカデミー福島でのラストイヤー。プリンスリーグ東北1部優勝を決めたが、最後に全国リーグ進出という目標を果たして次のステージへ飛び立つつもりだ。そのためにも2か月間最大限の準備を進める。松本は「入れ替え戦は相手も強いと思う。それでも自分たちのサッカーをやれば絶対に勝てる。(アカデミーでは)6年間たくさんのことを学んできた。後輩たちを来年プレミアリーグでプレーさせたいという目標がありますし、全力でプレーしたい」と誓っていた。

[写真]JFAアカデミー福島は幡野のゴールなど2-0で勝利

(取材・文 吉田太郎)

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