[3.31 ミズノカップU-18IN香川 佐賀北0-2興國 香川県営サッカー・ラグビー場サブ]

「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」準決勝、佐賀北(佐賀)対興國(大阪)戦は、興國が2-0で制して決勝進出を決めた。

　興國が難敵・佐賀北相手に圧倒的なポゼッションゲームを披露。堂々の試合内容で決勝へ駒を進めた。最終ラインでボールを持つCB北谷史孝主将やCB柴崎良太が相手のファーストディフェンスを巧みな切り返しと身のこなしで剥がすと、中盤で存在感を示すMF渡部大樹やFW中村太一、新1年生MF宮城和也、MF田中優一らも高い位置でキープ&ドリブル突破。佐賀北はプレッシャーをかけ続けていたが、個でボールを守ってしまう興國からなかなかボールを奪うことができずに押し込まれてしまった。

　先制点は前半終了直前の35分に生まれた。興國は左サイドから一気に切れ込んだ中村が左足を振りぬく。これをクリアしようとしたDFに当たってコースが変わり、ボールはゴールへと吸い込まれた。これで先制した興國はベンチ、ピッチ上から「楽しめ」「楽しめ」と声が上がる中、ダイレクトでの連続パスがつながるなど、自分たちのサッカーを存分に発揮。ほとんどの時間でボールを保持して攻め続けた。

　4月1日付で転任する松尾智博監督と戦う最後の大会だった佐賀北は非常に意欲的な試合を展開。連戦の疲労がある中でも集中力の高い守りと運動量で、中央突破を許さず、最後まで勝ちにこだわって戦っていた。ただ、ゴールまでの距離が遠く、シュートまで持ち込むことができない。それでも司令塔MF松本健太郎がディフェンスラインの背後に巧みにボールを落とし、アタッカー陣がスピードに乗って走りこむ。背走する興國守備陣の前に出かける場面もあったが、そのたびに181cmの長身と50m走6秒1の俊足を併せ持つCB北谷の好守に阻まれ、ゴールへ結びつけることができなかった。

　逆に興國は33分、左オープンスペースへ飛び出したSB城尾寿輝の角度のない位置からのクロスボールを交代出場の松谷幸征が頭で押し込んで2-0。指揮官のラストを飾ろうと必死に走りぬいた佐賀北イレブンが涙を流して悔しがる中、興國が決勝へ名乗りを上げた。

　相手を大きく上回ったポゼッションをはじめ、充実した攻守。渡部が「昨日、(W杯予選の)フランス対スペイン戦を見て、ワンタッチでもっと動かそうと。結構センターバックから僕のところへつけろと言って、簡単に2トップのところを突破するところを意識していた」と説明したパス&ドリブルなど、思惑どおりのサッカーを展開した興國が初優勝に王手をかけた。

[写真]前半35分、興國FW中村が左足を振りぬく。これが相手DFのオウンゴールを誘い、先制点に

(取材・文　吉田太郎)

---

▼関連リンク
ミズノカップU-18 IN 香川2013特設ページ
▼ミズノ・フットボール情報はこちら→http://www.mizunofootball.com/
※別サイトへ移動します