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[ミズノカップIN香川]「勝つ喜び」と「勝つ方法を考える喜び」持つ九州国際大付が日本航空を攻略

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[3.31 ミズノカップU-18IN香川 九州国際大付4-0日本航空 香川県営サッカー・ラグビー場]

「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」準決勝、九州国際大付(福岡)対日本航空(山梨)戦は、新人戦九州大会準優勝の九国大付が4-0で快勝。昨年の「ミズノカップU-18 IN 高知2012」に続く決勝進出を果たした。

 試合中のポジション変更に戦術変更。「激戦区・福岡で勝つため」に磨かれた対応力、戦術理解度の高さで日本航空のポゼッションを封じた九国大付が、準決勝を突破した。序盤、主導権を握っていたのは153cm、45kgの逸材MF山口和樹擁する日本航空だ。山口を軸に動く日本航空サッカーはゆっくりとしたボール回しからDF1枚を剥がすと、一気にテンポアップ。複数の選手の連動した動きからスルーパスを通し、抜群のポジショニングとボールタッチで会場を沸かせていた山口や馬力のあるMF荒木翔が抜け出していく。

 ボールの奪いどころを変えながら対応していた九国大付だが、パスコースを切ることできずにピンチを迎えてしまう。日本航空は5分、6分と左中間を抜け出した荒木の左足シュートがポストをかすめ、17分には左CKのサインプレーから荒木の左足シュートが再びゴールを襲った。

 サイドを崩される展開の続いた九国大付だったが、ポゼッションに加わっていた相手GKに対するプレッシャーを増すことで打開策を見出す。相手に“ハメられ”て、徐々にDFのキックミスやロングボールの増えた日本航空。逆にフィジカルコンタクトで優位に立っていた九国大付はドリブルを効果的に使いながら日本航空ゴールへ襲いかかった。23分に攻撃参加したCB宮本歩を起点にMF山下敬大が決定的な左足シュート。そしてFW末廣直紀投入3分後の28分だ。右サイド後方からのグラウンダーのパスがDF2人の伸ばした足のわずか先を抜けてPAの山下の足下に届く。185cmの長身MFはDFを右前方への動きで外しながら右足シュートをゴールへ叩き込んだ。
 
 この先制点で試合の流れを引き寄せた九国大付は後半14分、末廣がハーフウェーラインをやや越えた位置から、高いポジション取りをしていたGKの頭上目掛けて超ロングシュート。これがゴールを破り、2点差とすると、杉山公一監督が「アクセントになる。右足でも、左足でも走りながらボールを蹴ることができる」と説明する交代出場の2年生FW庄野海が2点を加えて決勝への切符を勝ち取った。

 主将のMF三浦秀弥が「先生(杉山監督)にいつも考えろ、と言われます」という九国大付。プリンスリーグなど公式戦前には選手たちだけで相手チームの分析を行い、その後にスタッフを交えた確認を行う。練習中から頭を使い、複数のシステム、戦術に対応する点は、東福岡や東海大五、筑陽学園といった九州屈指の強豪揃う福岡県でライバルたちとの差を埋め、勝利する武器となっている。杉山監督は「『勝つ喜び』があるのと同時に、『勝つ方法を考える喜び』がある」という。チームは試合中を含めて常に相手の攻略法を考える楽しさを持つ。また、それを実践するために、複数の戦い方をピッチ上で表現できることも大きい。まだまだ技術不足を選手たちは感じているようだが、毎年、確実に充実してきている個とチーム力で、結果に結びつけている強さが福岡の新鋭にはある。

[写真]前半28分、九州国際大付は山下が右足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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