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[プレミアリーグEAST]連敗スタートも桐光学園は強豪と渡り合う実力披露

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[4.14 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 桐光学園高0-2札幌U-18 保土ヶ谷]
 
 1月の全国高校選手権で4強へ進出した桐光学園高(神奈川)は、主力の3年生9人が卒業した今年も高校トップレベルの力を保持していることを印象づけた。
 
 立ち上がりから非常に勢いのある攻守。特に序盤は球際で相手を上回るとセカンドボールの攻防戦を制して、札幌U-18相手に次々と攻撃を繰り出していた。1トップのFW植木隆之輔(3年)を軸に2列目のMF加藤寛明(3年)、10番MF今来俊介(3年)、MF池田友樹(2年)がパス交換からスピードに乗ってPAへ飛び込んでくる動きは強烈。札幌U-18の四方田修平監督も「球際の強さ、粘り強さ、攻撃のところでどんどん湧きでて来るように飛び出してくるところと9番(植木)のところがヘディング強いし、懐が深くて、(3月の)マリノスカップでやった時より全然迫力がありましたね」とその力を認めていた。ただ、前半11分の池田、18分のMF蔭山裕之(3年)といずれもビッグチャンスをものにすることができず、32分にカウンターからDFに当たったボールが相手に渡ってしまう不運もあり失点すると、後半もミスからPKを献上して突き放されてしまった。

 それでもOBのMF中村俊輔似のフォームからクオリティの高いパスを配球する左SB杉本大斗(3年)や右サイドで頭脳的な動きを見せたSB関根陸(3年)、加藤、植木ら個々もポテンシャルの高さを感じさせるプレー。加藤が退場して約30分間10人での戦いを強いられて敗れたが、守備の柱であるCB中島駿(3年)を前線へ上げて反撃するなど最後まであきらめない姿勢を貫き通した。
 
 1986年から指揮を執ってきた佐熊裕和前監督から元Jリーガーの鈴木勝大監督へバトンが渡されて1年目。選手も大きく入れ替わり、周囲からの不安の声も聞こえてきていたという。だが鈴木監督は「(選手たちが)逆境にしてやっている。選手たちは良くやってくれている」。そして開幕前に副主将の関根が「新しい桐光学園のサッカーをプレミアリーグで披露できれば」と語っていた通りの前からのアグレッシブな戦いぶりを示している。

 指揮官は「カウンターよりもマイボールにしていくということを継続していくことも謳っているので、それは変えるつもりはありません。甘いんですけど、点を取れるんじゃないかと思いますし、最後のところの精度をつけていければ。改善点もあるので前向きにやっていきたい」。東京Vユースとの開幕戦はミスが出て逆転されたものの、先制して1-2の惜敗。この日も主導権を握って攻める時間帯は長かった。プレミアリーグ参戦1年目で経験が浅く、まだまだミスも見られるが、チームには手応えがある。第5中足骨骨折から5月中にも復帰が予想されるGK長津大裕主将(3年)が戻れば、さらにチームの厚さは増すはずだ。連敗スタートも下を向く必要はない。一週間できる限りの準備をして、三菱養和SCユース(東京)との次節に臨む。

[写真]桐光学園は左SB杉本の好キックなどからチャンスをつくった

(取材・文 吉田太郎)
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