第8回ミズノカップU-18 IN熊本
[8.14 ミズノカップIN熊本モレリアステージ 日章学園2-1玉野光南 大津町総合運動公園多目的(奥)]
　
　全国の強豪16チームが優勝を争う第8回ミズノカップU-18 IN熊本は大会2日目の14日、上位リーグ(モレリアステージ)と下位リーグ(サバイバルステージ)を行い、モレリアステージの日章学園(宮崎)対玉野光南(岡山)戦は後半アディショナルタイムにMF木橋春暁(3年)が奪った決勝点によって日章学園が2-1で勝った。

　2点ビハインドだった静岡学園(静岡)戦を木橋とFW伊奈裕二(3年)のゴールで追いつきながらもPK戦で落とした日章学園と、2年生FW中井レアーズの2発によって高知商(高知)との初戦を勝利した玉野光南。グループ1位、決勝進出へ向けて負けられない両校の戦いは球際の非常に激しい、白熱した展開となった。

　前半31分にゴール前の混戦からMF後藤大輝(2年)が決めた先制点によって玉野光南が1-0とリードして試合を折り返すが、日章学園は後半14分、左サイドへ抜けだしたFW甲斐匠(3年)から逆サイドへふり、最後は木橋が右足シュートを決めて同点に追いつく。この後も日章学園は司令塔MF松田岳(3年)を起点としたパスワークから右の甲斐と左の木橋の両ワイドの突破力を交えて決定機をつくり出した。

　一方の玉野光南は中井、FW西江裕哉(2年)、MF古矢涼(3年)、MF洲脇俊(2年)といったアタッカー陣の連動した動きとスペースへの飛び出しで対抗。特に鋭い切り返しを交えたドリブルからシュートへ持ち込む西江はクロスバーを叩く一撃などで相手ゴールを脅かした。

　ただ32分、後半アディショナルタイム突入後の38分と中井のスピードを活かして相手の背後を突きながらも勝ち越し点を奪えなかった玉野光南に対し、日章学園が底力を見せる。39分、左オープンスペースを突いた木橋が切り返しから右足シュートをゴールへ沈めて決勝点。同じく後半アディショナルタイムのゴールで同点に持ち込んだ静岡学園戦に続いて勝負強さを発揮した日章学園が貴重な勝ち点をもぎ取った。

　日章学園は今月上旬の全国高校総体初戦では、終了間際の失点によって星稜(石川)に0-1で敗れている。この夏遠征では2チームを編成して石川遠征組とこのミズノカップ組に分かれて強化。エースMF菊池禎晃主将(3年)やFW村田航一(2年)らは不在だが、この試合では1年生4人が先発するなど各選手が厳しい試合の中で経験値を高めている。まだボールを失う回数が多く、早稲田一男監督も「簡単に取るべきところで取れないで、簡単に取られてしまっている」と説明するように、決定力向上とゴール前での厳しさが課題。ただ、最後まで走りきり、2試合連続で終盤のゴールによって勝ち点を奪ったことは、昨年度全国高校選手権で日本一となったライバル、鵬翔などと優勝を争う高校選手権予選へつながりそうだ。

　木橋は「県を勝ち抜いて全国で優勝を目指せるようにならないといけない。この大会は連戦が続くけれど、一人ひとりが声を掛けあいながら助け合っていくこと」。この勝利で決勝進出への望みをつないだ日章学園。最終日も緊迫した環境の中で試合を行うことができる。注目集まる宮崎の選手権予選優勝、そして全国大会での躍進へ向けて、チームはこの夏さらに成長する。
　
(取材・文　吉田太郎)

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