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[NIKE LIGA NOVA U-16]「島根ダービー」で意地見せた!大社が首位・立正大淞南撃破!

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[8.24 NIKE LIGA NOVA U-16第8節 立正大淞南 2-3 大社 島根県立浜山公園球技場]

 中国地域のU-16世代の選手育成及び指導者の強化を掲げたリーグ戦、「2013 NIKE LIGA NOVA U-16(NLNU16)」が5月から8月にかけて行われている。初年度で第1回となる今大会には境(鳥取)、立正大淞南、大社(ともに島根)、作陽、岡山学芸館(ともに岡山)、瀬戸内、広島皆実、広島観音、広島国際学院(すべて広島)、高川学園(山口)という中国地域の強豪10校が参加。24日には第8節(全9節)が行われ、開幕7連勝で首位の立正大淞南と大社の島根県勢同士が対戦し、大社が3-2で競り勝った。

 この日優勝が決まる可能性もあった立正大淞南を5位・大社が止めた。「能力的には向こうの方が高い。やるべきことの精度はもっと上げないといけないです。(ただ)彼らには国体(メンバーをほとんど立正大淞南の選手が占めている)の悔しさもあったと思う。それを出してくれた」。大社の佐々井秀臣監督はそう振り返ったほか、個々の守備面での踏ん張りや体力が尽きるまで走りきった点に目を細めていたが、大社は個々の技術の高さも随所で発揮して「島根ダービー」を勝ち切った。

 立正大淞南は国体少年男子中国ブロック予選を1位突破した島根県選抜の18名中16名を占め、今大会でも作陽や広島皆実からも5点を奪って勝利。好タレントが集まった世代はライバル校からの評価も非常に高かったが、立ち上がりからその実力を披露してチャンスをつくっていく。特に右サイドのMF上村大悟のスピード、突破力が違いに。そして国体中国ブロック得点王のFW井上直輝や司令塔のMF白岩直斗らが絡み、迫力のある攻撃を繰り出した。

 だが、例年以上に島根県トレセンメンバーが入学しているという大社もアタッカー陣中心にハイレベル。絶妙なタッチのコントロールとアイディアで存在感を放つMF森山裕大や個人技で相手DFを剥がしたMF桑垣誓広、161cmの技巧派MF宮崎渓太、そして守備面での奮闘も光ったMF竹田大地といった選手が高い技術で相手に対抗した。

 大社はトップチームのメンバーに加わっているというDF黒崎龍樹を相手のキーマン、上村にぶつけるために本来の右SBではなく左SBに起用した。その策も功を奏して好守からチャンスをつくり出す大社は18分にFW廣江太輝がゴール至近距離から決定的な右足シュート。また25分には廣江の左足ミドルがクロスバーを叩くなど試合の流れを掴んでいた。

 そして前半42分、大社は森山と桑垣のワンツーからPAまでボールを運ぶと、最後はシュートのこぼれ球を拾った廣江のラストパスを宮崎が右足で決めて先制した。さらにその1分後には宮崎がPAへ出したループパスに対し、右後方から斜めに走りこんできた森山がコントロールから左足シュートをねじ込んで2-0とする。

 立正大淞南は前半終了間際に上村のスルーパスで抜け出したFW藤尾悠也が追撃ゴール。だが後半も背後を突く廣江やCB園山栄樹が決定的なシュートを放つ大社は後半18分、桑垣がDFの背後にボールを落とすと、これにいち早く反応した廣江のラストパスを宮崎が右足でゴールへねじ込んで再び2点差とした。

 立正大淞南は25分に右CK後の混戦から井上が決めて再び1点差とする。そして終盤は相手選手が足を攣らせる中、運動量と局面での強さ含めて上回り、大社をゴール前に釘付けにした。だが、ミスと大社守備陣の集中力の高い守りもあり、最後までゴールを破ることができず。大社にとって10年度全国高校選手権4強、11、12年全国高校総体4強の立正大淞南は今後2年間、全国へ行くためのライバルとなる。その強敵に先勝した大社の竹田は「嬉しかったです。でもここで(喜びに)浸っていてもダメ。全国大会予選で淞南を倒して全国へ行きたいです」と誓っていた。

[写真]後半18分、大社MF宮崎が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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