[9.22 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第17節 和歌山北高3-1初芝橋本高 橋本]

　高円宮杯U-18サッカーリーグ2013 プリンスリーグ関西2部17節、橋本運動公園(和歌山県)で行われた和歌山北高対初芝橋本高の和歌山ダービーは、3-1で和歌山北が勝利した。

　高校総体の和歌山県予選決勝でもぶつかり、互いの手の内をよく知る同士の対決となったこの試合は開始早々から「選手権に向けて、80分間動き続ける力をつけたいので、序盤から飛ばさせた」(中村大吾監督)という和歌山北がフルスロットルで挑んでいく。

「昨年よりも能力が低いんで、個ではなくグループで奪って攻撃という所を夏ずっとやってきて、少しずつ出来てきている」(中村監督)という言葉通り、両サイドを起点に仕掛ける初芝橋本の攻撃陣を複数で挟みこんでボールを奪うと、素早く前線に繋いで攻撃に転換。狙いはすぐさま形として表れ、11分にはPA中央手前でボールを受けたMF新居典樹がドリブルで左に流れながら放ったシュートがGKのキャッチミスを誘発。こぼれ球をMF木原脩斗が押し込んで先制する。

　対する初芝橋本は阪中義博監督が「前半が悪すぎた。何もないというより、マイナスしかない」と嘆いたように、ボールを前に運びはするものの、連動性に欠いた単独突破が目立ち、攻撃のリズムが生まれない。それでも、徐々に流れを引き寄せ、37分には高い位置でボールを奪ったDF西岡伸がそのまま右サイドの深い位置まで持ち上がり、入れたクロスをMF松本竣也がヘッド。続く38分にもDF平山圭伍がオーバーラップから上げたクロスのこぼれをMF渡辺淳揮が狙ったが、いずれもネットを揺らすことが出来なかった。

　後半に入ってからは、ハーフタイムに阪中監督から喝を入れられた初芝橋本が主導権を握ったが、前半と同じく、シュートへの積極性を欠き、ゴールは奪えず。苦しい展開が続いたが、後半31分に中央へ仕掛けた松本からのパスを受けた途中出場のFW稲葉大次がPA左からシュートを決めて同点に追いつく。しかし、喜びは長く続かない。和歌山北が気持ちをすぐに切り替え、直後の34分に新居が相手DFの背後に抜け出し、フリーでPAに進入。GKに倒されてPKを獲得する。初芝橋本はこのプレーでGK立川小太郎が退場。1人少ないハンデを背負うと共に、PKを決められ、再リードを許してしまう。和歌山北は終了間際にも木原のパスを1年生MF西泰星が決めて、ダメ押しに成功。選手権予選の前哨戦ともいえる一戦をモノにし、今年、テーマにしている選手権予選の「連覇」、夏冬連続全国出場に向けて弾みをつけた。

[写真]後半34分、和歌山北は決勝PKを決めた新居(左)中心に喜び合う

(取材・文　森田将義)