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[プリンスリーグ中国]「伝統ある広島のダービーマッチ」広島皆実が広島観音破る!

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[10.5 高円宮杯プリンスリーグ中国第14節 広島観音高0-1広島皆実高 広島皆実高G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2013プリンスリーグ中国第14節が5日、広島皆実高グラウンドで行われ、3位・広島皆実高と7位・広島観音高(ともに広島)が対戦。互いに退場者を出すなど白熱した戦いは1-0で広島皆実が勝利した。

 2006年に広島観音が高校総体を、2008年度に広島皆実が高校選手権を制し、日本一に輝いた事のあるチーム同士の対戦に「観音相手は強い気持ちになる」(広島皆実FW三宅敏貴)、「伝統ある広島のダービーマッチという感じで、自分たちもそうですけど、相手も気持ちを持って戦う試合にいつもなる」(広島皆実MF高岡大翼)と意気揚々。両者、気合十分で試合に挑んだが、「トーナメント仕様、選手権仕様で、“前に前に出て行く”意識を高くした」(藤井潔監督)という広島皆実は攻撃陣が果敢に前方へ飛び出し、相手陣内に進入こそするものの、決定機は8分に右サイドからゴール前に入ったボールを三宅が左サイドへと展開し、MF上川寛史がフリーでシュートを狙った場面などごく僅か。

 対する観音も22分にハーフウェーライン付近からMF清水智貴がドリブルで持ち上がり、中央へスルーパス。MF八尾侑亮が右に流し、走り込んだFW明比佑樹がシュートを放つのが精一杯で、決定機を生み出すことが出来ない。24分には観音のDF重森剛司が2枚目のイエローカードを貰い退場。皆実が数的優位となったものの、「中盤の子がリズムを作って、真ん中とサイドを使った自分たちの形を作れなかった」(藤井監督)と流れを変えることが出来ないまま、前半を終える。

 こう着状態が崩れたのは後半開始直後の1分。右サイドのスローインが中央に渡り、MF佐藤笑也がDFの間へとパスを通す。反応した前線と合わず、一度は相手DFがゴールキックに逃げようとしたが、三宅が強引にボールを奪って、そのまま角度のない位置からシュート。勢い良く飛んだボールがゴール右に突き刺さり、皆実が待望の先制点を奪った。「自分は泥臭いプレーが持ち味のFW。いつも通り頑張って行ったら、自分の所にこぼれてきたので、振り切った」という三宅の一撃で流れを掴んだ皆実はその後も、一人少ない相手に対し、持ち味であるポゼッションサッカーで試合を支配。28分には右サイドでの細かいパス回しからDF藤原大輔がミドルで狙うもバーをかすめてゴールならず。37分にも右サイドをDF山口輝、途中出場のMF横路翔太と繋いで中央に入れたパスを途中出場のFW梶原亮が狙ったが、またもやバーに嫌われ、追加点は奪えず試合終了を迎えた。

 終了間際にDF井上裕登が2枚目のイエローカードを受けて退場するアクシデントもあり、勝利にも関わらず藤井監督は「相変わらず課題がいっぱい。攻撃の形を作りきれなかったり、勝負に対する認識の甘さを感じたり。1点を奪ってから、もっと勢いをつけないといけないのに上がってこないのが気になった。内容に乏しい試合。勝っただけ」と険しい表情を浮かべた。選手たちも因縁の相手に勝利したという奢りはなく、「長い間、チームとして結果が残せていないので、自分たちの代でなんとか全国に出たい。今回みたいに勝たせてもらえる内容にならないと思うし、2年間 1点に泣くことが多かったので、もっと勝負に拘りたい」(三宅)と選手権に向けて気を引き締めた。

(取材・文 森田将義)
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